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短編小説集

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日常に、少しの彩りと刺激を。
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#日記

そして何も残らない

 いらない。いらない。なーんにもいらない。捨てちゃおう。いっそのこと、全部。 ※ 「今な…

98

『沈黙と思いやりのあるパン屋さん〜吃音について〜』

「……っ、……、……お、……っ、……、……」  焦れば焦るほど、口から言葉が出てこない。…

95

サンタのためのクリスマス

「思い出たくさんのこの書店も、もうすぐ閉店か……。だいぶ前から決まってたこととはいえ、そ…

70

『本の世界は今日も晴天なり』

 本の世界に没入すること。それには、仕事や学校、家事や子育てなど、現実で起こる全ての憂鬱…

161

『時間旅行が繋ぐもの』

 タイム・マシン。タイム・トラベル。タイム・スリップ。  これが実現すれば、どんなに楽し…

64

「誰かにとってのヒーローは」

ヒーロー。意味は、敬慕の的となる人物。つまり、「英雄」である。  ※  中野俊介は、天博…

119

『死んでしまうとは、情けない』

夜のニュース番組。会社でのストレスに耐えきれず、会社員が自殺してしまったというニュースが流れている。  年齢は25歳。人生まだまだこれから、という時ではないか。死んでしまうなどもったいない。  そもそも、最近の若者は忍耐力に欠けている。怒られたら辞める。失敗したら辞める。飽きたから辞める。挙げだすとキリがない。  そういう俺も、いわゆる「ゆとり世代」である。この世代の人間はとにかく、忍耐力に欠けているとか、ストレスに弱いとか、色々と指摘されることが多い。  しかし、俺

受け継がれゆくもの

 私は書店で働いている。小さな街にある、小さな書店。  子供の頃から本の虫であった私は、…

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