11月10日、誕生花は芙蓉【#誕生花短歌】
雪かき、しんどい。
詠みます。
願うなら
少しくらいのわがままを聞かせてほしい
微笑む君には
解説。
11月10日の誕生花のひとつであるフヨウは、中国中部原産であるアオイ科フヨウ属落葉低木です。
日本では関東地方以南で観賞用に栽培されます。
寒地では冬に地上部は枯れてしまいますが、春に新たな芽を生やしてきます。
学名 "Hibiscus mutabilis" の種小名――つまり "mutabilis" の方には「変化しやすい」という意味があります。
これは、花色が朝方のピンクから夕方には紅色に変わることに由来するといわれます。
酔芙蓉《すいふよう》と呼ばれる、フヨウの中でも八重咲きで花が大きい種類がありますが、その名前の由来がまさにこの特性です。
朝の咲き始めは白、昼間はピンク、夕方には紅色に花の色を変えることから、酔って顔が赤くなることにたとえてこう呼ばれます。
なお、「芙蓉」はハスの美称でもあり、とくに区別する際にはフヨウを「木芙蓉《もくふよう》」、ハスを「水芙蓉《すいふよう》」といいます。
上の酔芙蓉とハスを混同しないようにお気をつけくださいませ。
フヨウの花言葉は「繊細な美」、「淑やかな恋人」。
いずれもしとやかで優しい印象をあたえる花の姿に由来します。
話が逸れるようで逸れてない、曖昧なラインで併走するような話をひとつ。
2004年に『SHUFFLE!』という恋愛アドベンチャーゲームがリリースされています。
この作品に登場するヒロインの名前は花や植物に(……主人公はそれを育む「土」に)由来する名前ですが、実はそれらの花言葉に性格設定やストーリー展開の暗示をさせているという特徴があります。
このフヨウは、主人公の幼なじみの女の子の苗字(リンクはその娘をフィーチャーしたスピンオフストーリー)に使われています。
お名前は、芙蓉 楓《ふよう・かえで》。
勉学からスポーツ、家事に至るまで完璧にこなせる娘ですが、性格は控え目。
時系列的には物語の3年前までは、母親と主人公の両親の交通事故死にまつわるある理由で主人公のことを憎んでいたが、誤解が解けて以降は一転して彼に尽くすことが生き甲斐だと思っていて、身の回りのことは彼女が全て世話をしている――という感じ。贖罪なのかもしれません。
長くなりましたが、要するに、今回の歌はそんな彼女に対する主人公の気持ち――みたいなモノです。
ちなみに、彼女のファーストネームはこちらです。
ぜひ、併せてご覧くださいませ。
カエデの花言葉は「遠慮」です。