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3月24日、誕生花は片栗【#誕生花短歌】

詠みます。

 微笑みで隠せぬ涙
 初恋は青いまま落つ
 うら若き春

解説。

 3月24日の誕生花のひとつ、カタクリ
 極東アジアを原産とする、ユリ科カタクリ属の多年草です。

 学名 "Erythronium"(エリスロニウム)は、ギリシア語で「赤」を意味する "erythros" が語源となり、赤い花をつけるヨーロッパ原産の種にちなみます。
 カタクリは古く「堅香子《かたかご》(籠を傾けたように咲くことなど語源には諸説あり)」と呼ばれ、それが転じて「カタクリ」になったともいわれます。
 なお、英語では和名と同じく "Katakuri" やあるいは "Dogtooth violet"と呼ばれます。

 カタクリはいわゆる「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる植物のひとつです。
 その所以は、1年のうちで地上に出ている期間が春先の2か月足らずに過ぎず、葉で光合成をして栄養分を鱗茎に蓄えて、夏には葉を枯らし、翌年の春まで土中の鱗茎のまま休眠状態で大半を過ごすところにあります。
 つまり光合成ができる期間が1年のうちでわずか2か月ほどしかないため、栄養を蓄積するまでに長い時間を要してしまうことから、種子から発芽して花を咲かせるまでに、実に8、9年ほどの歳月を必要としています。

 ちなみに、片栗粉は本来は名前の通りカタクリの地下茎から作られたデンプンの粉を指します。
 自生するカタクリの減少や、北海道開拓による馬鈴薯(ジャガイモ)の大量栽培により現在はジャガイモを原料としていますが、名前には残ったというお話。

 カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」など。
「初恋」は、うつむいて咲く花姿から、恥じらいにより自分の気持ちをうまく伝えられない、せつない初恋の気持ちを連想したものであるといわれます。
「寂しさに耐える」の花言葉も、うつむいて咲く姿にちなみます。


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御子柴 流歌
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