10月16日、誕生花は十五夜草【#誕生花短歌】
どもです、御子柴です。
解説。
10月16日の誕生花のひとつ、シオン。
紫苑色という色の名前があるように灰みの青紫系の花を咲かせる、キク科シオン属の多年草です。
https://www.colordic.org/colorsample/2048
別名は「鬼醜草《おにのしこぐさ》」、「十五夜草《じゅうごやそう》」、「思い草《おもいぐさ》」があります。
シオンの根や根茎を乾燥したものもまた「紫苑」といいまして、生薬として使われます。
鎮咳、去痰、利尿の効果があるそうです。
とはいえ、日本でのシオンの栽培は花の鑑賞目的に限られているとのことで、生薬用は輸入品でまかなわれているようです。
そんなシオンの花言葉は「追憶」、「君を忘れない」、「遠方にある人を思う」などです。
これらの花言葉は、『今昔物語集』に由来します。
あれですね、ぜんぶ『今ハ昔』の一節から始まるアレです。
その『今昔物語集』のなかに、父の死をいたむ兄弟の物語があります。
『兄弟二人、萱草・紫苑を植うる語』などとされるお話です。
墓参りをかかさなかったこの兄弟でしたが、仕事が忙しくなった兄はワスレグサ(萱草《かんぞう》のこと)を墓前に植えた後、次第に墓参りをしなくなってしまいました。
一方、弟は墓前にシオンを植え、雨の日も毎日墓参りを続けました。
これに感じ入った鬼は、この弟に予知能力を与え、その力のおかげで弟は幸せに暮らしたということです。
シオンの別名である『鬼醜草』もこの物語が由来のようです。
初代とされる『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』に登場する町、シオンタウン。
ここには亡くなったポケモンたちが永久の眠りについているポケモンタワーという建物がありますが――。
それも、これが由来だと思われます。
詠みます。
月夜見の朧 この目に焼き付ける
紫雲に乗りて 旅に出る君
紫雲とは、臨終のとき仏が乗って来迎する雲のことです。
日本軍の航空機の方ではないです。