1500円のかみさま -自分の軸が分からなくなったら-
神様なんて信じない
「神様を信じるやつなんてバカだ」
だってそれって子どもみたいだし、なんだか宗教じみてる。私は無宗教だし何を信じるかなんてどうでもいい、必要ない。そう思って生きてきた。
だから、キリストにお祈りするあの子を好きになれなかったし、いつも「仏さまの教え」をひっぱりだして説教するおばあちゃんも苦手だった。
揺れていた私は、いとも簡単に壊れた。
そんなわたしにも就活がやってきて、あっという間にボロボロになった。
どれだけ頑張っても認めてもらえないし、不採用の通知が来るたびに、自分にまるで価値がないみたいで、情けなくて、怖くて、泣いた。
毎日「自分について」を問われて、言葉に詰まった。周りのみんなは資格とか、留学の経験だとかをいきいきと答える。わたしは資格なんて持ってないし、特にためになる経験もしてこなかった。
だから、自分が誰なのかわからなくなった。みんなみたいに人に誇れるものなんて、しっかりした自分の軸なんてわたしは持ってない。
初めて、自分はからっぽだったんだって思い知らされた。
今までたっていたはずの地面は急に姿を消して、いきなり暗い海に放り出された。命綱も目印も無くて、私は毎日もがいていた。
なにか、すがるものを探していた。
わたしはずっと揺れていた。
1500円のかみさま
「まだそれ捨ててないの?」わたしは言うのだけれど、きみはいつもそれを大事そうにもっている。
ずっと前の修学旅行のお土産で買った、1500円のシーサーのおまもりだ。
ぶさいくな顔でいつもこっちにガン飛ばしている。このかわいくないお守りのどこがいいんだろうと君に会うたび思うけど、
「なんかええやん、不細工なのに自信満々で。なんかいろいろ励まされんねん、これ見てると。」そう言ってきみは、どこか誇らしそうな顔で愛しそうにそれをみる。
わたしには理解できないけど、きっとそれはきみの大切な一部なんだろう。
きみはまるで、そのおまもりを「信じてる」ように見えたし、それはかみさまみたいにも見えた。そして、きみには軸があった。
かみさま見つけた
大人になってから、信じれるものが減っていったような気がする。役に立つhow toや「すごい人」の教えとか、科学や知識にさえ度々裏切られてきた。
そうやって「信じるもの」がないまま就活を迎えたわたしは、自分の足場もわからず、ただただもがいて、すり減っていた。
そんなわたしと違って、どこか軸があって生き生きとしてるきみがうらやましかった。もしかしたらそれはあのぶさいくなシーサーがそうさせてるんじゃないかと思えてい仕方ない。
いや、きっとそうだ。だってあんな顔をするんだもの。
行き過ぎた宗教団体のイメージもあって、神様はずっと「信仰対象」とか「人生をささげるもの」だと思ってたけど、きみと彼(彼女?)をみてると、かみさまってそんな大げさなものじゃないんじゃないかと思った。
ほんとはもっとシンプルで、それはただ「信じるもの」であり「自分の軸」
もっといえば「こころの居場所」みたいなもの。
なんじゃないかと思う。
わたしに足りないのはこれだった。
その形の一つが「キリストの存在」だったり「仏の教え」だったりするだけで、みんなだれしもこころに「かみさま」がいる。
そう思うと、「かみさま」は、アイボリー色のカプチーノや、大切な人、わたしたちが暮らしてたあの日々にもいるわけで、それは人によってちがう。
わたしはどうなのかって考えると、夏が降ってくるような朝だったり、冬が満ちていくような夜にかみさまを感じる。そしてそれらを感じられる自分が好きだ。
だから、きっとわたしのかみさまは
「わたしの感性」
きっとみんなには理解されないだろう。「わけわかんない」実際そう笑われるだろうし、採用担当に怪訝な顔をされるかもしれない。
でも、もう怖くない。
だってほら、わたしだけのかみさま
もう見つけたから。
おわりに
すこし雑くなっちゃいましたね、むずかしい!今回はエッセイ第二弾でテーマは「信仰」でした。いかがだったでしょうか。伝えたいものの3割くらいは伝わったかな?笑。
形や大きさ(信仰の強さ)は異なるけど、誰しも「信じてるもの」はあるし、それは自分の軸となり得るものです。この軸がないといざピンチに立たされた時に、ホントにつらいです、わけわかんなくなります。だからちょっとずつ「信じるもの」を探してみればいいかもしれませんね。というお話です(あ、ちなみにフィクションです)。
これを踏まえて結局お伝えしたいのは
これまでを歩いてきたあなた自身を信じてあげて
ということです。回り道が過ぎましたね笑。
今回の裏話
今回の話の構想はホントにいろんなところからきてるんですけど、ここにあげるのは最も大きい二つだけにとどめておきます。
まずはこちら
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61S0A3fT6ML.jpg
西加奈子さんの長編小説「サラバ!」です。これはここでは語りつくせない良さがあるので、一番好きな部分だけ引用しておきます。またどこかで書きます。
あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ 下巻p152
二つ目はアーティスト・カネコアヤノです。彼女の感性はすごいなと、どこかユーミンに似てるなといつも思います。
いかがだったでしょうか。今回も長くなったので今日はこの辺にしときます。この記事があなたの「自分らしさ」の一助になれば幸いです。
メディア部 たくと
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