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【読書記録】『秘密』

『秘密』
谷崎潤一郎著


主人公・「私」は、日常生活に飽きて、近くのお寺の離れに住み着く。そして、女装して、遊女のような装いで、街を闊歩し、周りから受ける熱い眼差しに満足する。
そんなある日、自分よりも遥かに妖艶な女性に遭遇する。そして、その彼女は過去自分が振った女性だったことを思い出すと、彼女も、「私」のことを覚えていて、密会の約束をする。

文章が、非常に美しいのですが、内容はかなり、変態的で、ザ・谷崎潤一郎という印象を受けました。

キーワード

秘密
1. 秘め事はしばしば社会的な禁忌やタブーに係る。このような禁忌に対する憧れは、反抗心や冒険心から来ており、日常生活でのルールや制約からの解放を求める感情が反映される。

2. 秘め事は、個人の内面や価値観を反映する。このため、秘め事に憧れることは、自己のアイデンティティや個性を探求し、表現したいという欲求から来る。

3. 秘め事には神秘的な魅力がある。未知のものや隠された真実は、人々の好奇心を刺激し、探求心を駆り立てる。この神秘性は、人生における深い意味や価値を探索したいという欲求を表す。

4. 秘め事は、社会的な期待や制約からの解放を象徴する。人々は、社会の枠組みを超えた自由な自己を求める傾向があり、秘め事はその象徴となる。

物語の主題は何か?

社会の中に属していると、普通であることが、求められる。そして、ときに、自分を見失ってしまう。自分というものは何者なのか?ひとは、自分にないもの、覆い隠された秘密にこそ、自分が本当に求めているものがあるはずだと信じて、現実にはない理想を求め続けて、失望を繰り返してしまうのだと理解した。

与えられている今の恵みを自覚することが幸せへの近道なのだろう。

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