【読書ノート】『波間に浮かぶイエロー』(『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』より)
『波間に浮かぶイエロー』(『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』より)
町田そのこ著
沙世は、ブルーリボンという軽食屋でアルバイトをしている。
店主は芙美さんという"おんこ"(ゲイ?)
ある日、38歳で妊婦の環さんというかなり、美しい女性が店にやってきた。芙美の姿を見て、環は、愕然とする。というより、怒りが込み上がってくる。そして、物語は始まる。
芙美さんは元々、男性で、高橋さんといって、会社では、経理をやっていた。そして、後輩の環さんのことが、好きだった。
環さんは、高橋さんなどお構いなしに、イケてる上司と不倫を楽しんでいた。やがて、身籠って、流産して、不倫はバレて、会社を辞める。ほぼ、同時期に、高橋さんも会社を辞めて、環さんを一生面倒を見ることを誓う。ただ、環さんは、高橋さんからは、離れて、別の男性と結婚して、妊婦となると同時に、その夫の浮気が発覚して、家を飛び出て、高橋さんを訪ねた。
ハナヒゲウツボ(ブルーリボン)
ハナヒゲウツボは、性転換する。
性転換すると黄色くなる。
これは、性別というものは、生物学的な要因によって固定されるわけではないことを示す。この性転換は、個体が環境や内部の要素によって変化し、新たな役割や責任を引き受けることを示す。
ハナヒゲウツボは、個体の持つ能力や役割が時とともに変化することを象徴しており、変化や転換の重要性を考えさせる。
また、ハナヒゲウツボの性転換は、個体が自己を再定義し、新たな可能性を追求することを示している。
物語の主題は何か?
ひとは生きている限り、いつも誰かを、愛したいし、愛されたいものなのだと理解した。
ひとは絶えず変化の中にいるわけで、その時その時によって役割も変化する。そんな中にあっても、愛は永遠でありたいものだと思った。
それを愛と呼ぶなら