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【読書ノート】『的になった七未』(『木になった亜沙』より)

『的になった七未』(『木になった亜沙』より)
今村夏子著


七未には、どういうわけだか、特殊な能力がある。幼稚園の頃、どんぐりを投げられても、七未にだけは、当たらない。小学校で、ドッチボールをしても、七未だけは、当てられない。いつも、まわりのひとたちの標的にされてしまうため、逃げ回るという人生を歩んでいた。

なかなか、よくわからない今村夏子ワールドの物語なのだけとね。

キーワードを挙げてみる。

①「的になる」
一般的には「焦点となる」や「注目される」といった意味で使われる。哲学的な文脈では、個人や事象が集団や社会から特定の意味を持つ対象として見られることを指す。これは、その個人や事象が議論や評価の中心になることを意味し、しばしば批判や賞賛などの集中的な反応を引き起こすことになる。

②「追われる」一般的には、何かに追われるというのは、ある目標や義務、あるいは状況によって強いられて行動することを指す。これは私たちの存在の意味や目的、そして人生をどのように生きるべきかという根本的な問いにつながる。

物語の主題は何か?
一言で言ってしまえばい、世の注目を集める人生は、必ずしも幸せであるとは限らないということだと理解した。

ある説によると幸せな人生を送るために最も重要なのは「良好な人間関係」なのだという。富や名声、社会的な認知は幸せに直接結びつくものではなく、人とのつながりや信頼できる関係が人を幸せにし、健康的な生活をもたらすとされている。

人に、仕事に追われる人生は、生きがいとか、アイデンティティになる側面はあるのだけど、日々の雑務に追われることは、人生を浪費することにつながり、人生をより短くしてしまう。

芸能人は追われてなんぼの世界に生きているのだけど、仕事に追われる一般のひとも、同じことだと思ったりした。

身近な人間関係を丁寧に築いていくことが大事なことなのだろうと思わされた。

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