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【読書ノート】『フォルトゥナの瞳』
『フォルトゥナの瞳』
百田尚樹著
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幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は、友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。ある日「他人の死」を予見する力を持っていることに気づく。そして、葵という女性に死が迫っていることに気づき、死ぬべき彼女の運命を変えてしまう。
フォルトゥナとは?
ラテン語で「運命」または「幸運」を意味し、古代ローマの幸運と運命の女神も指す。哲学的には、偶然性、不確実性、人生の不可避的な変化を象徴する。
ひとには、それぞれ与えられた寿命がある。そして、ひとの死期は変えることができない。
慎一郎が死を予知する能力を持つことで、彼は他人の運命を変えられないという事実に直面し、その選択が自身や他の人々にどのような影響を与えるかを深く理解する。そして、この能力は、彼が愛する人々を救うために自己犠牲の道を選ぶということを可能にする。
そして、そんな慎一郎の愛に涙する葵。実は葵もフオルトナの瞳を持っていたのだった。
物語の主題は?
慎一郎と葵の二つの愛の形なのだと思った。
自己犠牲の愛
「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。」ヨハネ15:13
すべて受け入れる愛
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」
(コリント信徒への手紙 一 13章4節~7節)