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『死体裁判』

『死体裁判』
月乃宮千晶著


きのもとよしえというホラー作家が、原告となる民事裁判の物語。

きのもとよしえは、恋人のコウジが持ちかけた資産運用の話に乗って、2450万をコウジに預けた。ところが、コウジは、その運用資金を失ってしまう。そこで、運用資金を取り返すために彼女は、コウジを裁判で訴えたのだった。
物語は第二回目の口頭弁論の地方裁判所にきもとよしえが入るところから始まる。


すべてが、妄想の世界のようにも思えるのだけど。ホラー小説に取り憑かれた、ホラー小説家が、本物のホラーに巻き込まれるという話。
冒頭の「誰が私を捜すだろう」これが、ホラーのキーワード。

夢野久作の『ドグラ・マグラ』を彷彿させられる。

事実は、小説よりも奇なり、を逆手に取ったホラーの枠小説みたいなかんじなのかな?

一般的にホラー小説って何だ?

①恐怖と不安: ホラー小説は読者に恐怖や不安を与えることを目的とするもの。怪物、幽霊、狂気、死、異常な出来事などがテーマとして扱われるというもの。

②超自然的な存在: ホラー小説ではしばしば超自然的な存在や力を見せつけるもの。例えば、吸血鬼、人狼、ゾンビなどがよく使われるアイテムだったりする。

③心理的恐怖: ホラー小説は時には物理的な怖さよりも、登場人物の心理や精神的な恐怖を描く。例えば、人々の内部の恐怖や狂気、トラウマなどがテーマとなる。

④禁忌やタブー: ホラー小説ではしばしば禁忌やタブーが扱われる。人間の恐ろしさや邪悪さ、社会の闇など。

⑤不条理: ホラー小説ではしばしば不条理な出来事や状況が起こる。登場人物が理解できない現象や、正常な法則が逆転するような展開。

本書は、③なのかな?

こころの闇って怖いなあと改めて思った。

手軽に楽しめるので、おすすめです。

camille she was

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