8月19日~25日のきろく
体調の悪さと、こころの不調でなんだかなあの日々。今週も生きててえらいなあ。 → まえ
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8月19日 にちようび
水の中に潜ると、自分の息遣いだけが近くに響く、あの感覚がすきだ。
真っ黒になりながら毎日泳いでいたあの頃、自分の心と会話ができる大切な時間が、プールにはあった。
スピードが求められる競技は明らかに向いていなかった。それでも、やめたいと思わなかったのは、「0.01秒よりもっと縮めたいなにか」があったからなんだろうなあ、と今は思う。
学生生活は「問題なく」過ぎた。誰かにものすごく迷惑をかけたこともなかったし、親にものすごく心配させたことも、反抗したこともなかった。誰かをいじめたことも、いじめられたこともなかった。たしかに何も問題はなかったけど、感情はある一定の温度で止まっていた。
プールは夏にぴったりとか思われているけれど、実は、真夏のプールはぬるめのお風呂みたいで、泳ぐには気持ちよくない。春や秋は、水が冷たすぎてすぐに足がつる。「あったかい氷」が発明されないだろうかと言いながら泳いだ冷たいプールは、みんなの精神力を鍛えていたのだろうか?
適温なんてなかったプールだけど、やっぱり泳ぐことが好きだった。水の中にいると素直に自分と会話ができた。自分の息遣いが、頭に響く。悲しくて、つらい気持ちも、重力とともに消える。こぼれた涙はゴーグルに溜まるけれど、みんなにはばれない。
永遠があるなら、それはきっと水の中だと思う。
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8月20日 げつようび
電車の混み具合で、お盆の終わりを知る月曜日。
夏を感じないまま、平成最後の夏が終わりそうだけど、夏は苦手だからべつにいい。
「平成最後」といって特別感をだすことにあまり意味を感じないわたしだ。平成何年であろうとなかろうと、過去のことはすぐに忘れちゃうから。
どこに行って何をしたとか、あまり思い出せない。わたしの海馬は過去への道を走ってくれない。
いつか誰かに言われた他愛ないひとことや、ふとした瞬間を切り取っただけのフィルムカメラのような1枚は、ありありと思い出せるのに。
沖縄の透き通るような海で魚と一緒に泳いだことより、シンガポールの大きな水族館に行ったことより、花火大会に行く待ち合わせ場所で、盛大に機嫌が悪くなってしまったことをいつまでも後悔しているような。
楽しかったことも嬉しかったことも、わたしの血となり肉となっているけれど、悲しかったことや後悔していることが、頭の大部分を占領して動かない。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。なんであんな行動とっちゃったんだろう。相手はもう忘れてしまっているようなささいな1つは、これからのわたしの栄養源になるのだろうか?
平成から新しい年号に変わることで、なにかが終わって、なにかが始まるのだとしたら、忘れたい過去と、覚えておきたい過去を、希望どおりに取捨選択してほしい。
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8月21日 かようび
りゅうちぇるは、やっぱりめちゃくちゃすごい。
今は、「日本人はこうあるべき」という固定観念をもつ人たちから、次のフェーズに転換するタイミングなんだな、と思う。平成も終わるし、次の年号ではもう昭和の考えがなくなるかもしれない。
ゆとりだなんだと言われがちな世代だけれど、なにも私たちが「ゆとり教育でお願いします!」と言い出したのではない。よくわからないまま、勝手にゆとらされたのだから、文句があるなら政治家に言ってほしい。
有給休暇の取得や、残業のことで働き方改革が起こっているけれど、今の経営を担っている世代が完全に入れ替わったら、そんな決まりがなくとも、改革されていると思うのはきっとわたしだけではない。
部活でもそうだった。めちゃくちゃ強く権力を握っていて離さない学年が卒業すると同時に、部の雰囲気はがらっと変わる。とくに何か新しい決まりを作らなくても、居心地がよくなる。
「老害」という言葉があるけれど、結局のところ、自分のアップデートをやめてしまった人が老害なのだと、誰かが言っていた。
世代間の違いはあって当然だ。問題なのは「他を認めない」と、断固としてよそ者の侵入を許さない人たちである。考え方が違うことは世代が同じでも起こることなのに、世代が違う人の意見を、「世代が違うから」という理由だけで、徹底的に受け付けない姿勢には「?」と思ってしまう。もしかして、その人は同級生の意見も受け入れないのかな?
「みんなちがってみんないい」が体現できれば、もっと生きやすくなるのになあと思うけれど、無理だよな、とあきらめがちだ。あきらめても、待っていればいつか変わるだろうと。なのにりゅうちぇるは真っ向勝負していてほんとうにすごい。ほんとうにえらい。
でも、「この世の中を変えたい」ということとは少しちがうのかな?とも思う。りゅうちぇるはおそらく、こちらのタイプ。わたしは、「この世の中を変えたい」というよりは、「みんなちがってみんないい」にならないかな?と思っている。
そもそも、わたしはタトゥーがどうとかの感想がないんだ。ただ、りゅうちぇるが自分の思ったとおりに行動して、自分を持って発言してるのがすごいな、と思う。
タトゥーいやだな、と思う人もそれでいいと思うし、タトゥーをもっと認めて!と思う人もそれでいいと思う。ただ、プールでの振る舞いとか、決まりはあるから、今はそれを破るのはよくないし、破ることはルールの改定に悪影響を与えるだけだと思う。
タトゥーが悪いんじゃなくて、タトゥーをしてる人の行動がよくないことが多いから、今の日本になってるんじゃないのかな?タトゥーの歴史も、今の認知のされ方も、どうしてこうなったのかわからないけれど、「よく思われてないからよくない」は人任せな気がするし、なんだろう、むずかしいな。
なんにせよ、影響力のある人が、先人切ってくれているのだから、影響力皆無のわたしが、思ったことを書かないのはもったいない、と思った。
どんなことも待っていればいつか変わるかもしれないけれど、少しでも早いほうがうれしい。影響力がないうちに、思ったことを素直に書いていきたい。
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8月22日 すいようび
中学生のときにはじめて読んだ、森絵都さんの「つきのふね」は、私を何回救ってくれたかわからない。
最近、ひさしぶりに森絵都さんの本を読んでいるけれど、やっぱり好きだなあと思う。
今週はなんだか体調がよくなくてだめだ。森絵都さんについてはまたの機会に書こう。おやすみなさい。
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8月23日 もくようび
台風の影響で、夜のTwitterには「風強すぎてこわい」「寝れない」「家が揺れてる」との不安な声でいっぱいになった。
わたしは低気圧で頭がどんよりしていて、風強いとかこわいとかよりも「寝たい」という感情しかなかった。台風やら地震やらの災害については、たしかにこわいけれど、同時に「こわがってもしかたがない、くるものはくる」という感情が大きくて、逆に冷静になってしまう。
たまたま別件でLINEしていた友達も「風がこわくて寝れない」と言った。
わたしはなんとなく「風強いとかより寝たい感情が大きいのだけど、もっとこわがったほうがいいかな」と聞いてみた。
「女子としては10点だけど、なつみとしては100点」
そう返ってきて、なんだか安心できたわたしは、もしかして変だろうか。
自分らしさを知ってくれている友達がいること、自分らしく生きられていることが同時に証明された気がして、うれしかった。
「女子として」の外部評価はなんだっていい。
わたしは、化粧・髪型・服装・ネイル・アクセサリー、おしゃれに関することは全部好きだし、楽しい。着飾ることでテンションが上がるし、好きな服を思うように着たいからダイエットもする。甘いものも、カフェ巡りも好きだけど、これらは外部評価のためではない。
かわいくなるためにしている努力はすべて、自分のためでしかない。
女子として何点かよりも、自分らしくいられるように。いつでも100点をもらえるようにいたいなと思った。
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8月24日 きんようび
今週は、何かを色々考えているというよりは、「無」になっているのかもしれない。頭がぽおっとしているし、どうしても日記が進まない。
少し仕事が負担だと思っているせいもある。転職してまだ3か月だし、慣れないことしかない。言われたことをこなすだけだった前職とは違って、つねに自分と向き合っている感覚があって、それが慣れなくてしんどい気持ち。
早く寝たらいいんだけど、なんとなく、起きてる。のもだめってわかってはいるんだけど。
とりあえず、来週東京に行くので、行きたいところをリストアップして調べた。気分転換になればいいなと思う。
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8月25日 どようび
待ちに待った新しいパソコンが届いた。
大学入学時(6年前?!)に買ったパソコンが、立ち上がりに時間がかかるし、動作は遅いし、めちゃくちゃ熱くなるし、物理的にも重たくて持ち運べないし、で気に入っているところは見た目だけだったので、ついに買った。
今まで、人生でいちばん高い買い物は、大学のときにバイト代を貯めて買った一眼レフだった。それが大幅に更新されてパソコンになった。
自分の稼いだお金で、自分の買いたいものを買える。
子どもの頃からずっと、はやく大人になりたいと思っていたけれど、わたしがなりたかった大人はこれだったか、と少し思った。
自由には責任が伴う。その責任さえ投げなければ、わたしは何をしてもいいし、何を買ってもいいし、どこに行ってもいいんだ。
新しいパソコンでどこに向かおうか。
まずは、noteを続けていくことが、地道で大きな一歩になるといいなと思う。
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8月19日~25日のきろく おわり → つづく