おやじパンクス、恋をする。#230
「いいから、とにかく、やめろ。な?」
俺は言ったが、若いボディーガードは肩をすくめ、後ろを振り返った。その視線を俺も追うと、そこにはふてぶてしい顔でタバコをふかす佐島さんがいた。
「って言ってますけど、どうします?」ボディーガードが言って、佐島さんはへっと笑うと、「続けろ」と言い放った。
すぐに拳が飛んできて、俺の鼻の脇にめり込んだ。その躊躇のなさに、俺はボディガードという職業の恐ろしさを知った気がした。こいつらはご主人様に命令されれば、さっきまで仲良く話してた相手