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【なんでファッションを仕事にしたのか】スタイリストとの出会い②
前回の続き②
①で書いたように私は現在ファッションスタイリストの仕事をしていますが、そのきっかけはパリ、ロンドンへのトリップ。
今の自分を生きようと決めたのは
ロンドンの百貨店(Harrods)でスタイリストにスタイリングしてもらったのがきっかけです。
ハロッズといえばロンドンだけでなく世界中の誰もが知る英国の百貨店の王様的存在です。
丁度、滞在したのがクリスマスシーズンだったので歩きながら素晴らしいショーウィンドウに釘ずけになりました。
白い息を吐きながら、石畳の道路をツイード生地のコートにレザーのグローブとブーツで。当時はブロンドに染めたタイトなベリーショートで気分はまるでツィギー。
心が歓声をあげる土地は歩く姿も自然と背筋が伸びます。
石畳を歩くときのコツコツという音も 私にとっては心地の良い音楽のように聞こえました。
そんなロンドンの街並みを歩きながら、ハロッズに入店した時、私の今後のきっかけを与えてくれたスタイリストがそこにいました。
彼女は出会うなりパッと私の顔を見て手招きをしました。何だろう?と思いながら近づくと
「あなたはオードリーのような綺麗な瞳をしているね、あなたはその瞳が一番の魅力ですよ」
と教えてくれました。そしてブロンドのヘアを指差し
「このヘアも素敵だけど、カラーはもう少し黄味を抑えた方がいいよ。今の色だと瞳の色に影が入ってしまうから」
決して否定はせず、柔らかく自然な口調で彼女は話を続け、着替えてきてとシンプルな配色が施された一つのワンピースを渡してきました。
そのワンピースはブラックとパープルの切り替えが施されたシンプルででも直線的な私の体型が生かされる素晴らしいものでした。
身につけると不思議と顔のパーツがくっきり見え、瞳の印象が嫌な際立ちさではなく、自然な最初からそこにあるべき存在感のように見えました。
「このワンピース、これはあなたに似合う色。あなたの瞳の美しさをひき立ててくれるものです。」
私は当時パーソナルカラーの存在は知っていましたが、ただ似合うという色でしか認識していませんでした。
彼女は私自身が自覚していなかった自分の魅力と
その魅力ををひき立ててくれるモノを教えてくれました。
魅力とは本来生まれ持ってあるもの、それをひき立ててくれる服や色やモノが良いものですと伝えてくれました。
この体験は自分にとって素晴らしいギフトになりました。
この体験がなければ今の仕事はしていません。
自分自身が体験した まるで世界が明るくカラフルに見えるような体感をみんなに伝えたい、その気持ちが一番の動機です。
それから帰国し、アパレルでの経験を積んだ5年後にスタイリスト(主にパーソナル)として起業しました。
何もかもが初めてで失敗もたくさんしました。今でこそ少しは認知が広がったのですが、当時は全くポピュラーな仕事ではないので(特に当時起業した宮崎県では)
「ショップ店員と何が違うの?」と笑われたり
「若くて経験が少ないんじゃないの?」と24歳の年齢で判断されたり。
当時は悔しくて何度も泣きました。笑
本当に伝えたいのは表面的なオシャレをする事じゃなくて もっと深い所の人の魅力を伝えたい、その魅力を引き出すファッションを提供したかったのです。
その気持ちは4年たった今でも全く変わっていません。
個人のお客様に対してもですが、企業様とのお仕事に対してもこの気持ちです。
企業様の魅力を伝えるためのビジュアルプランニング、スタッフ一人一人が企業様のイメージになりうる事の重要性、そしてスタッフ一人一人を活かしながら企業イメージのフィルターを通してどう魅力をビジュアルで伝えるのか。
ありがたい事に、それからTV出演、TVスタイリング、ウェブメディア出演、コラムライター、専門学校講師、イベント出演、商品企画、起業講師としてお仕事をいただくようになりました。
カテゴリーはスタイリストですが、ファッションをスタイリングする行動は同じでも やっていることは少し違うかもしれません。
センスだけでやれる仕事でもありますが、だからこそ
そもそも何を着る?何で着る?何の為に着る?
などスタイリストはそのように少し哲学的に心理的に相手の事をより深く考えるべきだと思っています。
人も物事も外観では汲み取れないものがありますからね。
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