なぜロゴは釜にスプーンなの? 〜マジョメディスンのブランディングの背景〜
こんにちは。
マジョメディスン Majo Medicine のクリエイティブディレクターのローザです。
今まで、会社勤務のかたわら週末のみマジョメディスンの仕事に携わってきましたが、去る8月末の退社を機会に、マジョメディスンを会社組織にし、本格的にこの仕事に取り組むことにしたんです。
さて、まず、「なぜロゴは釜にスプーンなの?マジョメディスンのブランディングの背景」ですが… あとで詳しく述べますが、実は、マジョメディスンのロゴは、姉とのちょっとしたエピソードがきっかけで出来たんです。
2015年の冬、東京に住む私に、ロンドンの姉から嬉しい小包が届きました。
当時勤めていた会社での仕事は非常にクリエイティブでやりがいがありましたが、勤務時間が12-14時間を超えることなど珍しくなく、睡眠時間も平均5時間ほどでした。こんな勤務環境は、かつて私が働いた英国やドイツなど欧州ではあり得ないんですが、これも良い経験だと頑張っておりました。
ただ、何年か経ち、自分自身の代謝機能が、かなり弱くなっているのを感じ、さらに、ストレスが、日々の生活の幸福感を低減させていることにも気が付いたんです。まず最初に、過労・睡眠不足による肌の変化に気付きました。
十代の頃からニキビの少ない私でしたが、なんと30歳を前にしておでこにニキビが出来始めたんです。この現象を、<ストレスを放置せずちゃんとケアしなさい>という身体からのサインと受け止め、皮膚科を訪ねました。が、どの皮膚科でも呑み薬をくれただけで、ニキビは治りませんでした。
実は、私の一番信頼する健康アドバイザーは、姉のくれあなんです。
「今、これこれこういう状態なんだけど、どうしたらいい?」との質問に、いつも真剣にアドアイスをくれ、それがいつも的確で正しいので、ますます信頼するようになったんです。
彼女から学んだこと…そう、肌に関しては、スキンケア以外にも、ストレスや部屋の空気、食べ物や水分補給、さらに、洗顔方法や枕の素材などなど、健康を害する問題点を分析し的確なケアを選択しないといけないということ。彼女がいう健康とは、心身のバランスがしっかりとれている状態なんです。
良い睡眠やリラックスの必要性はよくわかっていましたが、忙しい業務を自分でコントロールすることが非常に難しかったので、取りあえず、出来ることから始めようと、まず、自分のスキンケアを見直すことから始めたんです。
ここで、ロンドンの姉から届いた、彼女の手作りフェイスクリームが信じられない効果をもたらしたんです。私のニキビがすっかり消えてなくなったんですよ。これには、もう、ほんとに驚きましたね。
姉のくれあ同様、高級コスメにかなり出費してきた私ですが、以来、彼女ののクリームが最高だと信じるようになりました。ケミカルな素材をいっさい使用せず、厳選したオーガニック材料だけで念入りに作られたこのクリームは、肌にこの上なく優しく、かなり疲れていた私の肌にピッタリだったんです。「♪お肌よお肌…どんどん良くな~れ♪」…くれあのおまじないも、しっかり入ってたりしてね…(笑)
姉くれあの話をちょっとだけさせてくださいね…
私の姉、内間くれあは、ロンドンを拠点とするプロのミュージシャンなんです。有名アーティストのバンドメンバーとして頻繁に世界ツアーに出かけています。長時間のフライトの機内の乾燥や時差、それに不規則な睡眠時間など、決して健康的とは言えませんし、もちろん肌にも良くないですよね。
そういった生活環境が、彼女を健康志向へチェンジさせる結果となったわけなんです。彼女は云います…「健康でなければ笑顔で演奏することは無理よ」で、彼女にとって、輝く肌と健康の維持は、とても大切なプライオリティーとなったわけなんです。
余談ですけど、コンサートツアー中、バンドメンバーやスタッフに、日本製のマスクを配ったり、喉スチーマーやグリーンスムージーを薦めたりと、バンドの健康担当係として大いに信頼を得ているそうですよ。
さて、マジョメディスンの話に戻りましょう。
皆さん、もう、お気付きですね。そうなんです。マジョメディスンは、くれあの健康志向や探求心から生まれたんです。世界中のステージやテレビ出演を頻繁にこなしてきた彼女は、私以上に高価なコスメを使ってきました。ところが、そのどれもが自分の肌に合わず、とうとう自分でナチュラルスキンケアの勉強を始めたんです。そして、様々な実験など試行錯誤を繰り返し、とうとう自分が納得する製品の開発に成功したんです。家族や友人たちにも使ってもらい、そのフィードバックをもとに、さらに品質を向上させてきました。
2016年、くれあの誕生日を前に、私は、プレゼントとして、彼女が開発したクリームの普及をプッシュする目的で、ブランディングのアイデアを思いつき、ブランドブックを製作しました。
ブランドブックとは、意思を同じくする仲間が、会社を組織・運営するために重要な資料で、例えばロゴのデザインやそのバリエーション、フォント、パッケージデザインやサイトのイメージ、もちろん会社のポリシーなど、そのアイデンティティーをまとめた基本的なガイドラインみたいなものです。
その頃くれあは、マジョメディスンを組織として立ち上げるアイデアをすでに抱いていたので、私は、このブランドブックが最高のバースデープレゼントになると考えたわけです。で、どんなロゴにするかなど、かなり夢中に取り組みましたね。そして、その結果は?…
くれあは、学生時代、音楽とともに、実は、数学が常にAでした。そのせいでしょうか、フェイスクリーム製作中の彼女を見ると、材料の調合・調整、殺菌へのこだわり…などなど、まるで、熱心な研究者そのものなんです。
ところがね、その様子、なんと、かなり魔女っぽいんです。まるで、魔女が魔法のポーションを調合している感じなんですよね。
ここで、かなり昔の話になります。
くれあ15歳、私が13歳の時、英国はスコットランドに移住しましたが、それまで私たちは大阪の片隅で育ちました。当時、母親が英国人っていうのがかなりアブノーマルで、他の子供たちとはかなり違っていました。近所の子供たち同様、いちおう大阪弁をしゃべってましたけど…
当時、くれあは仮装が大好きな子供でね、特に魔女の格好は、しょっちゅうしてましたね。ほら、魔女ってハロウィンでよく見ますよね。カツラをつけ魔女の帽子をかぶり、もちろん魔女のロングドレスを着て、手には魔法の杖代わりのほうきを持って… そんな魔女のかっこうをしたくれあの写真は今でもけっこう残っていてね、そんな写真を見るたびに笑っちゃうんです。
さて、魔女大好きなくれあだったですけど、今でも変わってませんね。大きなステージで演奏する時も、フェイスクリームを調合する時も、こころは魔女なんです。でも、怖~い魔女じゃなくって、とてもフレンドリーな魔女ですね。「マジョってね、ほんとは平和のメッセンジャーなのよ」と、くれあ…
さて、ロゴの話です。
ロゴのアイコンを黒い釜とスプーンにしたのは、くれあのイメージにピッタリだったからです。周りの目線を気にせず自分らしく常に自由でいたいという隠れたメッセージも込めてデザインしました。
釜は、通常、鋳鉄で出来ていますが、このロゴは安定した土台を意味します。そして、彼女草案のクリームの、その魔法のような効果をイメージして、釜の上に二つのスパークをを加えてみました。そんな遊び心に加え、品質に対する自信も伝えたかったので、マジョメディスンのメインロゴとその周辺の書体は、エレガントでクラシカルな書体にしました。
ロゴの周りに書いたコメントにも思いを込めました。
PRO AGING WELL ™
“Beauty is in the wellbeing of the mind and body - it’s about authenticity, confidence, charisma, character and being comfortable.”
プロ・エイジング・ウェル™
「美しさとは、心も身体も幸福で健康的な状態であること。
そしてそれは、信頼感や、自信、時には魅力や個性にまでつながる。」
スキンケアも大事なことですが、一番大切なのは、自分自身の幸福感や満足感を充実させることじゃないでしょうか。
ところで、人間って、マジカルな存在だと思いません?
一人一人、皆違うし、それぞれ無限の可能性を持っている。マジョメディスンの釜の周りには、そんな人間のユニークさを象徴する言葉を配置しました。
Final logo design:
私はもともとプロダクトデザイナー・エンジニアなので、自分で描いたアイデアを現実のものに創作する作業が大好きなんです。手を動かしながら考えるのが好きなんです。ブランドブックと同様に、エコパッケージのプロトタイプもデザインしました。
さて、くれあの誕生日に間に合うようにと、ブランドブック、パッケージ、ラベル、パンフレット、そして名刺など、情熱を込めた創作の成果を箱に詰めロンドンに発送したわけです。
その結果、何が起こったと思います?
かなり感動してくれたみたいで、趣味だったマジョメディスンを、とうとう実際に会社組織にする決断をしたんです。
株式会社マジョメディスン!ですね。会社になっちゃった!w
改めて思いました。ブランディングって人に自信と勇気を与えるパワーがあるうえ、さらに、必要な人材を引き寄せるパワーもあるんです。
某大手コスメカンパニーでマーケティングとPRを担当していた凄腕のハナちゃんもチームに加わることが決まったんです。彼女はこのブランディングとくれあのキャラとクリームに惹かれたと言ってくれます。
女子三人の小さい船出ですが、この会社を、人にも環境にも優しい、価値ある存在にしたいと願っております。失敗もあるかと思いますが、どうぞ皆さん、私たちの船出を温かく見守ってくださいね。すでに私たちの商品を英語のサイトで購入してくださっているお客様も少なくありません。これまでのサポートや応援、本当にありがとうございました。(日本語のサイト、今頑張って作ってます!)
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
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