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エッセイ

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たまに書くエッセイ。自分の考えたことや、体験談がメイン。
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2020年5月の記事一覧

まるで作家さんみたいで

 小説を書いている人に会った。以前から面識のある僕の後輩だ。
 彼女は最近になって職業としての物書きを始めた。彼女がそれを始めるずっと前から趣味で物書きをしていた僕は、
「大したことは無いだろう」
 と内心思っていた。どの立場でそのように思えるのか、今となっては不思議でならない。物書きとしてすでにお金を稼いでいる時点で、すでにアマチュアとプロくらいの違いはある。
 それで、会ってどうしたの?という

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とりとめのない日記

 かれこれ3年間ほど、ほぼ毎日、日記を書き続けている。
 書き始めたきっかけは覚えていない。たしか、大学の一年次か、二年次か。その頃から日記にハマった。いや、正しくはハマったはず、だ。ハマっていたのかどうかも定かではない。
 日記に限らず、文章を書くこと自体が大好きなことのように思う。
 なぜそうなのか?いつからそうなのか?さかのぼると小学校の頃の記憶にたどり着く。
 小学校低学年の頃。毎日のよう

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損得勘定との戦い

 貸しを作る、借りを返す。
 貸したものは返してもらう必要があり、借りたものは返す必要がある。いつからかそんなルールを見つけては、すべての事象にその法則を当てはめていた。
 そのルール自体は間違ったことでは無い。お金を貸したら返してもらわないと困るし、借りたお金を返さなければ借りた相手が困る。なにより、利子が付いて返済額が大きくなる。
 では、親には?学校には?国には?
 その他、自分に関わる多く

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叶わない恋は楽しい

 何事もやる前が一番楽しかったりする。
 美味しいもののリサーチ、髪を切る前の髪型選び、新しいゲームの発売予告。
 すべて、本番前だ。
 やっている最中というのは、意外にもつまらない。いや、楽しいときもある。それでも、楽しいということが自覚できない。
 幸せの中にいる人には、幸せの形が見えない、なんて言葉をよく聞く。
 きっとそれはその通りで、幸せと離れているときの方が、冷静に幸せとは何かを理解し

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うまい馬

うまい馬

 21時の繁華街の居酒屋。昼間の競馬を観賞したふたりの男が、熱く語り合っている。
「今日のレース、馬たちが輝いてたね」
 田中が言う。
「うまいこと、天気も晴れてくれたしな」
 山本が言う。
「それにしても1位の馬、なんであんなに速かったのかな?」
 田中が言う。彼は2位の馬が勝つと予想していた。
「あれは騎手が上手かったんだよ」
 山本が言う。彼は騎手に詳しい。
「いやあ、例の美人調教師の調教が

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