保育園看護師の保健指導 『手洗い指導』について<準備編>
保育園看護師が依頼される保健指導ナンバー1は
『手洗い指導』だと思います。
私が入職後初めて依頼された保健指導も『手洗い』でした。
当時はどうやったらいいのかもわからず、とりあえずネットをみたり、 図書館に行って絵本を探したりと試行錯誤しながら何とか指導案を作って、
それが予想以上に子どもたちに伝わり、保育園看護師としてがんばろう!と
思えるきっかけになりました。
しかし、
「じゃあ、それを毎年繰り返せばいいのね!」という訳にはいきません。
もしもいま、別の同年齢の子ども達に同じことを当時よりスムーズに指導できたとしても同じ効果、手ごたえを感じるのは難しいと思います。
なぜなら、クラスは毎年ガラッと変わるものだからです。
例えば年長組でも
女子が圧倒的に強いクラス、おふざけする男子が多いクラス、委員長タイプが複数いるクラス、リーダー格がいないおっとり系が多いクラス・・などの子どもたちの性格・特性で普段のクラスの様子が変わりますし、
それプラス担任の保育士さんの性格、子どもたちとの相性、保育感等が加味され、(あたりまえですが)ひとつとして同じ年長組にはなりません。
だから、保健指導の案はクラスごと、年代ごとのオーダーメードで考えていく必要があると私は考えます。
「手洗い指導」の準備とは?
1.「担任の気持ち、ねらい」を聞き出す
「手洗指導」を依頼されたらまずは担任の先生に「ねらい」は何か?
「具体的に何を教えてほしいのか?」「どんなことに困っているのか?」「どうなればといい思っているのか?」を聞きましょう。
きっと、先生が依頼してきた理由があると思うので、まずはそこからはじめると何をしたらいいのか?期待されてることは何なのか?が見えてきます。
2,いま出来ていること、できてないこと
次に「クラスの現状・問題点」を観察します。
先生が言っていたことの具体例がわかればもっといい方法も浮かぶはず!?
給食前や外遊びから戻ってきたときにさりげなくクラスの様子を観察します
(たまに勘のいい子が「ちゃんとできてるよ!(^_^)v」アピールしてきますが、全体的に見ると・・。みなさん、びっくりするほど洗えてません(>_<))
3,必要な物品とシナリオ作り
「担任の先生が求めること」「クラスの現状、問題点」がわかったら
後はそれにあった絵本や紙芝居を選び、手洗を具体的にどう教えるのが
いいのか?を考えながら指導案作りをはじめます。
ここで気を付けないといけないことがあります。
それは、ただ一方的に「これが正しい洗い方です」と説明だけをしたり、
大人だけが楽しそうに「手洗いの歌」を歌ってみせても子どもたちの中には
何も残らないということです。
<まとめ>
「子ども」という観客はものすごくシビアです。
おもしろくない、長すぎる話にはハッキリNo!と態度でしめします。
まだ担任のような威厳も、意識を再集中させる手遊びワザもない・・。
そんな保育園看護師が一旦切れてしまった子どもの集中力を再度引き出すことはなかなかに難しいです。
だからこそ、事前のリサーチと準備が大切になります。
私は「短時間」(15分以内に)で、
「視覚的インパクト」(大きいもの、見慣れていないもの)
「参加型」(静と動を組み合わせる)を取り入れることが子どもの心を掴むコツだと思っています。
次回「保育園看護師の保健指導<実践編>へ続きます。