自分の体型を良く思えないのはどうして?【おもし論文】
皆さん、自分の体型についてどう感じていますか?
人それぞれであると思いますが、「もっと痩せたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
筆者もその1人で、SNSに流れてくるダイエット方法を見て…
見ただけで満足してなかなか実践できずにいます…。
筆者の話はさておき、今回ご紹介する論文はこちらです。
「容姿の自己卑下の背景要因ー日本人女子大学生における身長と体型による自己と平均との比較をとおした検討ー」
(著:鈴木公啓)
日本人は元からネガティブ思考?
先行研究によって、日本人は自身をネガティブに評価する傾向があり、特に容姿について偏って自己評価していることがわかっています。
また、ネガティブな思考は精神的に不健康であることも示されており、容姿を良く評価しないことは全体的自己評価や肯定感の低さと関連することが確認されています。
女子大学生は全体的にネガティブ思考であった
この研究では、7つの大学の女子学生約500名にアンケートを実施し、日本人女性の平均との客観的な差と主観的な差について数値で扱い、ネガティブ思考とどのように関連しているかを明らかにしています。
結果は、身長と体型それぞれにおいて、全体的にネガティブ思考が生じていることが確認できたようです。
実際の平均より痩せていても、本人がそう認識していないことから、より細い体を望むようになり、集団全体として細身の方向に変移するといったことが生じていると著者は考察しています。
ネガティブ思考から脱却するために
先行研究より、容姿が良いことは基本的に利益にはならず、グループから排除される可能性があるため、人々は自身を低く評価し、その策略がデフォルトになっている可能性があると著者は考えているようです。
先述したように、ネガティブ思考は精神的な健康に悪影響を及ぼすため、メディアや他者の影響により構築された基準をどのように修正できるかが、心身ともに健康な人生を歩んでいくために必要であると著者は述べています。
痩せすぎによる体への悪影響、「痩せなきゃ」という思いによる心への悪影響、どちらも重要な問題です。
「自分は自分、このままでいい」と思えるような人生を歩んでいきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
「容姿の自己卑下の背景要因ー日本人女子大学生における身長と体型による自己と平均との比較をとおした検討ー」
(著:鈴木公啓)
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