”何に向かってるんだ私!いや、瞬間を生きろよ私!”と矛盾の切なさを抱えながら走った夜の出来事
「何に向かって生きてるんですか。」
その質問が嫌味に聞こえたらしい。
「そういうこと言う人、おるんよな。」
「違いますよ、そういうことではなくて。素直な気持ちで聞いてるんです。なんでそんなに毎日毎日頑張れるんですか。」
「あーね。ごめんごめん、嫌味かと思ったわ。ダンスめちゃめちゃ頑張ってたときも”そんなにダンス頑張って、プロのダンサーにならないのにどうするの?”って聞いてくる人とかいたんよな。俺は長所をつくっていきたいんだよね。そのためには頑張ることを中途半端にするのは嫌で、全部振り切りたい。そうやって自分の幅を広げたいの。」
野球部のキャプテンのときはみんなに”素振り200回はしろ。”って言っていたけど、彼はバットに重りをつけて毎日500回素振りをしていたらしい。
そういう話を聞くと、私は泣きたくなってくる。
なんでかってことを正直に言うと、自分に頑張れない認定をしてしまっているからだ。
頭では言い訳だと理解していても、自分の小さい頃の成功体験がないという記憶が潜在意識にすり込まれている。
頑張れない認定をしてしまっている自分は大いにダサい。
わかっているからこそ、悲しくなってくる。
悲しくなるんだったらやれよ、Just do itだろと思ってまた泣きたい気持ちが大きくなる。
今日は仕事で疲れてベッドに倒れこんでいた。
今日は走って筋トレしたいなーと思いつつも、眠すぎて身体が動かなかった。
”トントントン”
「はーい?」
「もうごはん食べた?あら汁作ったけど、食べる?」
「食べる!!」と言うのと同時に身体が跳ね上がった。
しげくんは料理が好きで、たくさん作ったときはいつも私たちシェアメンバーに配給してくれる。
作ったごはんをくれたり、食べているものをシェアしてくれたりする人がいるのって、この世で幸せ感じる瞬間ランキング上位だよなって思う。
だから私はあんなに眠たかったのに、べッドから離れられた。
おいしーい幸せを飲んでいたら、”バッドに重りをつけて素振り500回していた彼”が帰ってきたから冒頭の会話になった。
だって毎日毎日どんなに忙しくても、朝早く起きて会社に行く前と帰ってきた後に勉強してるんだもん。
あら汁を作ってくれた20歳のしげくんも、夢に向かって必要なことを毎日勉強している。
人と比べてしまうのも良くないけど、これは私にとっての刺激なんだと思う。
「自分のペースでいいんだよ」と言ってくれる人もいるけど、それもわかるんだけど。
努力に関しては、甘えと自分を律することの境界線が難しい。
目的が”幸せを増やすこと”であるのを忘れてしまっては、意味がないから。
でも、そんなことをうじうじ考えている自分も嫌になってくるループ。
ほんとにJust do it大事。
重りバッド500回素振りの彼も「努力は正しい方向にしないくらいだったら、寝てる方がマシだ。」と言っている。
”努力は自分の幅を増やすためのツール”なんだよなって改めて認識できた日だったなー。
とか言ってみるけど、その会話をした後に劣等感に苛まれた私は居たたまれなくなって、ランニングをしに家を飛び出した。
きっと1人で暮らしてたらべッドからも起き上がれず、寝落ちしてしまっていたんだろうなって思うと、私の日常に出てくる登場人物は強い。
”何に向かってるんだ私!!いや、瞬間を生きろよ私!!”って泣きながら走ったのは、秘密にしとこ。
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