八田浪漫

事件発生ぎみな日々のエッセイを連載ちっくに載せます。 寝る前のお供に。

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最近の記事

アカデミック眉毛処理

 たいていの女子は中二で一度、眉毛を失う。 当時はセブンティーンの榮倉奈々に憧れたかと思えば、NANAを読んでナナやハチの大人な恋模様に、胸躍れせていた。あんなキラキラしたものを見てしまうと、鏡に映る自分とのギャップにいたたまれなくなり、眉の一つもイジりたくなるものだ。  失い方は様々で、たいていの加減を知らない若人達は、雅なマロ眉を錬成させてしまう。気合の入ったギャルだと、振り切って全剃りまで行ってしまったり。こういうタイプは、なんだかんだ世渡り上手で、その後の人生も持ち

    • 4日で文学フリマに出した本の行方③ 完

      私はポケモン界なら強欲極まりないだろう。 文学フリマという冒険の地へ向かうのに、どれか一つをパートナーに選ばず、 詩集、絵本、エッセイの3タイプを全て制作すると決め、エッセイを4日で仕上げなければならないところまで追い込まれた。 深く考えず、とにかくやれるところまでエッセイを書こうと決心し、よく作家がやる『ホテルに缶詰』をしてみるのは、どうだろうと思いついた。  しかしホテルに居座るのは、金銭的に難しいので、安くてずっといられる個室=カラオケのフリータイムにたどり着いた。田

      • 4日で文学フリマに出した本の行方②

        本の制作は余裕をもって行われるはずだった。 年末年始を明日やろうでダラつき倒した先は、 「あれ、来月もう文学フリマだっけ」という冷や汗展開だった。身についたのは脂肪だけで、何ひとつ形になっていない。 私はなぜか詩集、絵本、エッセイの3タイプをつくってみて、何が自分にしっくりくるか試してみる計画をたててしまっていた。あと1ヶ月とちょっとで出来るものなのだろうか。本ってまずサイズとかどう設定すりゃいいんだろ...。 やばいやばいと、そこから詩をまとめ、挿絵をつけて、印刷所の

        • 4日で文学フリマに出した本の行方①

          私は一度も活字を世間に出したことがなかった。 これまで、何となしに浮かんだアイデアを絞り出し、Twitterとインスタにイラストやら漫画をだしていた。投稿した内容は話がまとまったかにみえて雰囲気だけの、コナンもお手上げな迷宮入り作品を描いていた。カメにも負ける速度でだ。 そんなカメ以下の人間様は、杖をつきつつ、人生のゴールも分からずに歩いていたのだが、ひょんなことから、関西に遊びに行った際に会った友人に、文学フリマという存在を教えてもらった。 素人でも印刷所にお願いして、