4日で文学フリマに出した本の行方①
私は一度も活字を世間に出したことがなかった。
これまで、何となしに浮かんだアイデアを絞り出し、Twitterとインスタにイラストやら漫画をだしていた。投稿した内容は話がまとまったかにみえて雰囲気だけの、コナンもお手上げな迷宮入り作品を描いていた。カメにも負ける速度でだ。
そんなカメ以下の人間様は、杖をつきつつ、人生のゴールも分からずに歩いていたのだが、ひょんなことから、関西に遊びに行った際に会った友人に、文学フリマという存在を教えてもらった。
素人でも印刷所にお願いして、本ができて、しかも売る場所もマネーで確保できるという。
なんかいいやん。
今はなき、やしきたかじんの、やっぱすっきゃねんのノリで、なんかいいやんを連呼し、一緒に出ようよ!と何の策も案も腕もないまま、たかじんが乗り移ったせいで、参加に燃えることになった。恐るべし関西。恐るべきたかじん。
地元に帰るべく乗った電車で、だんだんたかじんの御霊が抜けていくのを感じつつ、締切に追われる日々がやってくるのだった。 つづく...