【床を見て歩く】須田悦弘展 松濤美術館
須田悦弘展が始まった。
しかも松濤美術館での展示というのだから面白そう。
展示概要 一部
今年は東京都庭園美術館で見た須田さんの展示が面白く、ここ松濤でも建物の個性と須田さんの巧妙で繊細な彫刻を上手く組み合わせ展示をしていた。
会場は一種の冗談というか、なんかトンチが効いてるな、と。ちょっとクスッと笑えるそんな世界。
いつ出会ったか
須田さんの作品を最初に見たのは、原美術館が品川にあった頃、宮島達男さんの時の部屋の隣に、引き戸のある配管室の様な暗い部屋に飾ってあった「此レハ飲水ニ非ズ」だった。
扉を自ら開けないと気づけない。
ハラミュージアムARCになってからも、「此レハ飲水ニ非ズ」は場所を変えて展示されているが、場所が変わると作品自体がガラリと雰囲気を変える。
今回の展覧会で、ご本人の言及に「展示空間により作品が違って見える体験をしていた」ことが、展示空間への興味に繋がった、とキャプションに書かれていた。
造形と模写、写実?
本物の様な花、いわゆる造花なら、今クオリティが上がってすごい巧妙な造花もあるのだろうけど、どうしてそれと違うのか。なぜこの花を作品として美しいと感じるのか。作り手の作業を想像して、加味して見てしまうからだろうか。
彫刻だからすごいと思ってしまうのか。
「あのイラスト」須田さんでしたか。
ニッカシードルが好きでして。青森に行った時も事あるごとに現地限定品を買って飲んでたのですが、このラベルに描かれていたリンゴも須田さんの作だそう。
若い頃、1年間だけ働いたデザインの仕事関連で受けた仕事の一つだそうだ。
多摩美術大学グラフィック卒業、というところから彫刻家、現代美術家になる、という経緯が面白い。
何にいつ出会って自分の人生に影響を与えるか、なんてわからない物だ。
会場は作品を探しながら見る展示になる。
見過ごす作品がない様に見ていると、美術館から出た後も目が錯覚を起こして、路上のあの草もあの花も作品に見えてくる。
巷に溢れる須田悦弘。
日常で気がつく場面があるからこそ面白い。