【宮島の向こう側へ】下瀬美術館 開館1周年記念 加山又造
広島へ行ってきた。
動機3つ。
・加山又造の個展が下瀬美術館でやっている
・下瀬美術館一度は行きたい場所だった
・日本で公立初の現代美術館である広島市現代美術館へ行って見たい。
・ならば広島県立美術館、ひろしま美術館も行きたい。
家庭&仕事もろもろ調整については余談なので最後に。
さっそく現地の話を。
【展示について】
いわゆる、ホワイトキューブの大展示室に年代を追える様な配置の展示、水に浮かんでいる様な個別の部屋にターニングポイント的な作品配置という構成。
展示室の写真撮影はOKだが、作品写真のSNSでの投稿は禁止。なので今回写真を交えてのレポではない。
加山又造氏の言葉と共に絵画を振り返る。
本人の言葉の引用がとても良かった。
馬や、好んで描いたと言われている猫の絵画、水墨画への挑戦。
日本画と洋画のハイブリッド、といっても良いかも知れない。今、その系譜にいるのは村上隆だろうか?
と思っていたら展示室の最後にインタビューに応えていたので当たらずと言えども遠からず。
【カラスの話】
さて、特に感銘を受けたのはカラスの絵画。
以前、加山又造が語ったという。以下引用。
この一文を読み、「蒼い日輪」の解説動画を少し見て、次の展示室に進む。
これはイントロダクションだったのだ。
次の部屋にはその「蒼い日輪」が一点だけ展示してあった。
思わず息を呑んだ。絵そのものを見た時、涙が溢れてきた。
なんて説明したら良いかもうわからないけれど胸に迫る画面。
ボロボロなカラス。
だけど、懸命に生きる。
この美術館ならではの一室一点展示。
タイミングよく誰もいない部屋で1人で見たことで、文字通り人目も憚らず涙が出たのかも知れない。
一般的に忌々しく扱われ気味なカラスに目を向けた作品に惹かれる。
今回の加山さんのカラスもそうだし、柳原義達さんの「風の中の鴉」もそうだ。
黒い羽も黒い嘴も全て良いではないか。
ゴミを荒らすのはカラスが悪いのではなく雑なゴミ出し方をする側に問題がある。
今回は展示室を巡るたび加山又造の語り口に勇気づけられる様な、そんな文と素晴らしい絵画にたくさん巡り合った。
また、東京で氏の作品展示に巡り合った時に違う側面にも気がつくかも知れない。
【下瀬美術館 建築について】
下瀬美術館、素晴らしい建物だった。坂茂氏の設計。
日本画寄りの作家なので高い年齢層にも馴染むのだろう。広い施設でゆったり絵画を楽しめるのはよい。庭や屋上といった散策ルートもありベンチも豊富。皆腰掛けながら写真を撮ったり、世間話をしていた。
しかし美術館周辺には児童公園やコメリ・パワー、イオンみたいなやつとか生活感もしっかりあって、地元の人が周囲に沢山きている印象だった。(美術館の駐車場には広島ナンバーが多い)
ここにも結構車が止まっている。
最寄り駅からのルート
まず空港からはハイウェイバス路線で宮島まで直接きた。山陽本線宮島口駅から玖波駅→地域巡回バス→ゆめタウン下車→徒歩で下瀬美術館へ。
最安ルートなら空港→広島駅から山陽本線で玖波駅まで行くのが良いのかも。
帰りも巡回バスに乗り、玖波駅へ向かったが、駅直前でバスの中から電車が来るのが見えて乗っていたおじいちゃんが慌てて「おぉお!あの電車に乗るんじゃああ!」と言ってて(わ、ナマ広島弁!)となった。私は間に合わなくてローカル駅で時間つぶすコースかなと思って愕然としていたら駅員さんひょこっと顔を出して「10分後に次の電車来ますよ」教えてくれて事なきを得た。無人駅だと思っていたから駅舎に人がいた事に驚いた。
余談:旅立つ前までのてんやわんや
まず、加山又造の個展についてはかわかわさんのこの投稿で知った。
そしたらもう、見たという気持ちがどんどん膨れ上がる。
うーん、見たい。
まとめて見たい作家の1人だ。広島かー…しかも空港から遠いな。
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ならば広島市現代美術館も行きたい
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航空券ちょっと覗いてみるか…
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6月安い日あるな…いやいやいやいや、あ、でも夫また出張かもだし、いくらなんでも来週は…でも息子のテストは終わったし、私の月のもののタイミング的にも良いか?加山さんの展示30日までだ。
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夫「出張日程変わった」
私「一泊2日で広島いっていいか」
夫「おけwwwww今しかないまた来週から出張」
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航空券やけに安いな…あ、成田発だった!
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ええいままよ!ポチーッ
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朝4時半出発
職場の方は今月の我が家庭の散々な状況を愚痴っていたせいなのかチーム全体が「祝日の無い6月、自分のための有休、だいじ」モードで送り出してもらった。というか直属の上司がここ数ヶ月毎月4日ずつぐらい有休消化してる。ウェーイ‼︎では私も遠慮なく、気兼ねなく。
こんな感じで成田から飛び立ったのである。