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心の眼の中でとんがった位置づけ

[要旨]

小さな会社でありながら、その地域や業界で高いブランドを持っている会社は、真の意味でのブランド戦略と、ポジショニングで実現できます。


[本文]

経営コンサルタントの、浜口隆則さんのご著書、「だれかに話したく小さな会社」を拝読しました。この本の書名でもある、「だれかに話したくなる小さな会社」とは、「小さな会社でありながら、その地域や業界で高いブランドを持っている会社」を指します。

例えば、同書では、茨城県筑西市に、わずかに2つの店舗しかない「やまぐち薬局」など、いくつかの会社を例に挙げていますが、規模は大きくなくても、地元の人に高い支持を得ている会社というのは、どなたも心あたりがあるでしょう。しかし、このような会社になるには、特殊な方法があるのではなく、多くの方が知っている方法で実現できるということが、同書に書かれています。

具体的には、ブランド戦略とポジショニングの組み合わせです。ただ、ブランド戦略は、多くの経営者の方が誤って理解しており、それがネックになって実現できないでいると、浜口さんは指摘しており、私もそう感じています。すなわち、ブランド戦略とは、デザイン戦略という、ブランド戦略の一部に過ぎないという、狭い意味で理解されることが多いということです。

ちなみに、米国のブランド研究者である、デューン・ナップは、ブランドについて、「顧客や生活者に認識された情緒的・機能的ベネフィットがもたらす印象の蓄積が、心の眼の中でとんがった位置づけを占めること」と定義しています。これを言い換えると、ブランドとは「顧客が、ある製品を優位なものとして記憶する手段」と言えると、私は考えています。

それを実現するための手法のひとつが、デザイン戦略ではあるものの、浜口さんは、もっと幅広い、全社的な戦略で実現するべきと述べておられます。そして、ポジショニングによって、「とんがった位置づけ」をつくることができるということを、浜口さんは説明しています。

「だれかに話したく小さな会社」は存在するものの、どうすればそうなれるのかということは、私もなかなかわからないでいました。でも、浜口さんの本でそれが分かり、すっきりした気がします。自社を「だれかに話したく小さな会社」にしてみたいと考えている経営者の方は、ぜひ、浜口さんの本を読んでみることをお薦めします。

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