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【平山郁夫】 木版画 「室生寺の塔」 査定 鑑定 買取 致します


平山 郁夫
室生寺の塔
木版
39.8×30.5cm


◎平山 郁夫の木版画

平山郁夫(1930-2009)は広島県瀬戸田町(現・尾道市)生まれの日本画家であり、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業後、同大学の教授を経て学長も務めた人物です。彼は文化勲章を受章するなど、日本の美術界を代表する存在であり、晩年にはユネスコ親善大使としても活動しました。彼の作品には、仏教的テーマやシルクロードを題材にしたものが多く、平和や文化財保護の意識を深く反映しています​。

平山郁夫の木版画は、日本の伝統技法を尊重しつつ、彼自身の個性的な視点を加えた作品群であり、特に「室生寺の塔」はその代表例です。この作品は1992年に制作され、室生寺にある五重塔を題材に、静謐で神聖な雰囲気を持った作品です。塔の細部にわたる繊細な描写と、静かな風景の中に佇む五重塔の荘厳さが特徴的です。木版画ならではの柔らかい色調と、伝統的な構図が相まって、日本の風景美と宗教的な静けさが見事に融合しています。

「室生寺の塔」は、縦40cm×横30.5cmの大きさで、250部限定の作品として発表されました。アダチ版画研究所が技術的な面で協力し、平山のビジョンを実現しています。塔の描写には、背景を抑えた落ち着いた色調を用い、建物の立体感を際立たせています。この作品は、日本の宗教建築の美しさと、木版画ならではの柔らかな表現を見事に融合させており、静けさの中にある力強さが感じられます。

平山郁夫の木版画は、仏教建築や歴史的な風景をテーマにしたものが多く、シルクロードを描いた作品も人気があります。彼の作品は、日本の伝統を継承しつつ、現代における文化財保護の重要性を訴えるメッセージが込められており、多くの人々に感銘を与え続けています。

平山郁夫

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