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【日和崎尊夫】 木版画 木口木版 査定 鑑定 買取 致します
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◎日和崎尊夫の木口木版
日和崎尊夫(ひわさき たかお、1941年7月31日生まれ)は、日本の木口木版画の先駆者として知られる版画家です。高知県高知市に生まれ、1959年に武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)に入学し、西洋画を専攻しました。卒業後、独学で木口木版画の技法を習得し、その深遠な精神世界を表現する手段として木口木版画を選びました。
木口木版画とは、木の年輪に対して垂直に切断した断面(木口)を用いて制作する版画技法で、非常に緻密な表現が可能です。日和崎は、この技法を駆使して宇宙的概念である「カルパ(劫)」をテーマにした作品群を制作しました。「カルパ」とは、インド哲学や仏教における非常に長い時間の単位を指し、彼はこの壮大な時間の流れを作品に刻み込みました。
彼の代表作である「KALPA」シリーズは、ビュランと呼ばれる彫刻刀で版面を刻むことで、闇の中に光を見出すような独特の世界観を表現しています。特に、1969年の作品「脚」以降は、ビュランで刻む手法を深化させ、痕跡の集積によって画面を構築するスタイルを確立しました。この手法は、版面を黒く覆い、その上にビュランで刻むことで光を当てるという、彼独自の技法です。
日和崎の作品は、国内外で高く評価され、多くの展覧会に出品されました。1966年には第34回日本版画協会展で新人賞を受賞し、1969年には第2回フィレンツェ国際版画ビエンナーレで金賞を受賞するなど、その才能が広く認められました。また、1975年には文化庁芸術家在外研修員としてヨーロッパに留学し、さらなる研鑽を積みました。
彼の影響は後進の作家にも及び、柄澤齊(からさわ ひとし)や山本進、栗田政裕など、多くの木口木版画家が日和崎の作品に触発されて創作活動を行っています。特に、柄澤齊は日和崎を師と仰ぎ、その技法と精神を受け継いでいます。
晩年、日和崎は高知県にアトリエ「白椿荘」を構え、創作活動に励みました。1990年には高知版画協会を設立し、高知国際版画トリエンナーレの創設にも尽力しました。しかし、1992年4月29日、食道がんにより50歳で逝去しました。
彼の作品は、東京国立近代美術館などに収蔵されており、現在も多くの人々に影響を与え続けています。その独自の技法と深い精神性を持つ作品群は、日本の版画史において重要な位置を占めています。
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