「ウチのリーバイス見においでよ」
やっと言える日が来た。
そう、
この度ロッキーラクーンはLevi’sの正規販売店になりました!
厳密にはLEVI'S® VINTAGE CLOTHING (リーバイスビンテージ クロージング)
というカテゴリーになります。
略してLVCなんて呼ばれたりしますね。
こんなレーベルです。
リーバイス ビンテージ クロージング(Levi's Vintage Clothing)は、アメリカンワークウェアのスピリットと歴史を捉えつつ、1870年代から大切に保管されているLevi'sのアーカイブを元に、フィット、生地、当時の年代の特徴を含め、1つ1つ丁寧に再現しているオーセンティックなトータルブランド。
過去の貴重なロットナンバーを忠実に再現して作られる復刻コレクションです。
代表的な501シリーズをはじめ、時代を超えてタイムレスに使えるアイテムをに仕上げられております。
ふぅ、痺れますね。
前文にて「501シリーズ」と明記している通り、展開されている501ボトムは当時の主要年代別にて揃えられた美しいコレクション。
驚くのはそれぞれのシルエットやディテーリング差は当たり前として、使われるデニムが違う!という拘り様。
その年代別によるデニム特性の違いを、あらゆる研究の果てにてしっかり再現しています。
そんな眩いビンテージデニムという世界なので、LVCに限らず同じ様に狂気レベルでレプリカし製作/発売しているメイクスは他にもたくさんあります。
誤解を恐れず、僕はそんな他ブランドにも敬意を持っています。
それは今も変わりません。
ここからはあくまで僕個人の気持ちをお話しさせてください。
とにかく僕は寝ても覚めてもデニムが好き。
これだけ長い洋服人生ながら、デニムを身につけることをしなかった時期って無かったと思う。
それって凄いことだ。
言葉にするとこの通り簡単だけれど。
今やデニムと言っても、その一言で思い浮かべるコーディネイトやファッションジャンル、色味やシルエットなどは三者三様、
それだけデニムとは生活の身近にあるものであり、もはや至極自然な一部と言っても過言じゃないですよね。
デニムにまつわる話。
自分といえば洋服ごとは本当に早熟だったので、
それは確か小学校の高学年頃だったと思うけど、
古着屋さんで生まれて初めての501を手に入れた記憶があります。
それまでは当然新品でしか身に付けたことのない洋服/ジーンズであった訳で
色も落ちてて小さな穴もあったりする中古のそれを初めて目にして履いた時は、
なんだか悪いことをしているような不思議な気持ちになったことを覚えています。
ただ、なんだろう?
アメリカ生まれでアメリカ育ちだからなのだろうか?
これまでで知ってる洋服の雰囲気や感触と違う、
荒さなのかなぁ
きっとtheアメリカを感じれた瞬間だったんだと思います。
そこからそりゃあ色々買い足しました。
それはいまだに続いてるんだしね。
高校時代の後半くらいだったかな、
世は空前のレプリカデニムブームが到来。
それは本国アメリカを差し置いて、きっと日本国内だけの壮絶なそれだった。
東京ブランドだけでなく関西勢も襲来、なかなか激しいものでした。
当時バイトしていたセレクトショップでも数ブランドを取扱い、
皆であれやこれやと比べあったもんです。
もちろんそこにオリジナルなビンテージもあるわけで、
なかなか混沌とした時期でしたね。
ただとりあえず、ビンテージデニムレプリカの息吹はその頃に本格的な産声をあげ過熱したのだと記憶しています。
何よりその頃から、きっと本格的に何年のXXはあーでこーで、と
年代別ディテールや生地の厚みや染めの違い、自らのセンスに於ける穿きっぷりでのマイベストサイズとは?や、洗い方とか、デニムアプローチのウンチクを知ることになる。
裾のまくりやお直しのチェーンステッチ、とかもそうだ。
そんなレプリカごとのそれは、この通り僕にとってきっとデニムを学ぶ上での基礎を身につけるきっかけであり、
且つビンテージというオリジナルの煌びやかな歴史と価値により気付けたりした時だったんだと思う。
そして、好きならば何をどう履いてたっていいんだよ、の感覚も同時に知れた気がしました、売り手でありデニム好きとしてであり。
だから僕は古いのもレプリカもどちらも好んで履きました、
それは今も同じです。
ただ唯一変わってしまったこと。
それはオリジナルの高騰だと思います。
やっぱオリジナルは格好良いです。
でもこの僕ですら、モノにより履くのを躊躇う様なというか、
そのものを気遣いしながら身につけるみたいな不自然というか、
とにかくそれは精神衛生的に好きじゃないそれの様に思ったりもする。
好きが故かなぁ、スゲ〜のはあんま履きたくない。
ビンテージの生地やステッチコンディションもそろそろ危うい時を迎えてるものもあっちゃうしね。
何より、洋服屋が言うのもあれだけど
生活より洋服ごとが前に出るのはクールじゃないと考えます、シンプルに。
全てはその方その方の自由ではあるけれど。
言いたいのは、
彼女とデート中の食事にてビンテージデニムに染みを作ってゲンナリ、
帰りてー、とか
パパやってて公園で抱いた子供の履いてる靴がドロドロで、ビンテージデニムに足跡つけられて叱りたくなるとか
そういうのが違うと思うんでね。
まあそこはTPOなのかな。
ここではデニムTPO。
でもとりあえず僕の考えであり、今行き着いた洋服ごとでお話しさせてもらえるならば、
きっとデニムTPOなんていう枠すら要らなくて、履いてて格好良くて楽で鼻も高くて汚れ上等で、ってのが一番クールなデニムの履き方であり真の使い方なんじゃないかなって思ってます。
イコール、いつ何時履いててもいいのがデニム。
そしてそれが板について日々の当たり前になった時が私生活に於けるデニムファッション天井なのかな、と。
要はデニムがファッションながらもしっかり生活道具になった瞬間かな、
本当にデニムを知り愛おしくなる時って。
この書きものをしている今、愛猫シマはずっと僕の膝で寝てたんだけど、
一服のためにどいてもらったら、、
奴のよだれがこの通り。
スッと浮かんだのは
「タイムリーなネタ提供ありがとう、シマ」
だったよ。
リアルでしょ。
ぴゅ〜、
話も長くなってきたんでそろそろ整理しよう。
いや、もう少し付き合って。
この訳のわからないコロナ禍なんてことが起こったお陰で
外出の機会が減った以上、皆さんの洋服の買い物欲や欲する理由も下降気味、
伴って服屋も暇ですよ。
まだ終わっちゃいないけど、そんな時間は色んなことを考えました。
当たり前に、
どうしたら来客が増えるかなとか、もっと売り上げ出すにはどうしたら?とか。
商い続ける現実は厳しいですからね。
でも
いや、無理でしょ。
出ちゃいけない言われてるんだから真面目な人は出ないんだし、
ウチで売ってる物なんてカートへでポンの通販なんて簡単に伸びないし、
通販で動きやすそう、なんていう観念から商材を探すなんてのも僕のセンスでは無理でした。
緊急事態宣言下でお店に来てください、もおかしな話、
人によってはその発言をバカで下世話、節操ないやつだととられることもあるはずで。
頭がおかしくなりそうですよ。
いずれ考えてるだけ無駄だと思う様になりました。
そんなことよかこのコロナ禍にて、
顧客さんが少し離れたり、新顔のお客さんとの出会いも絶たれている現実。
皆さんの洋服愛の継続や、これからファッションや洋服へ興味や意識を高めるはずの新たな芽吹きたる若者の行動が絶たれる事の方がよっぽど悲しくなってきました。
これじゃあそもそも拡がるなんて到底無理。
同時にコロナ禍前から考えていたことがあった。
もっと色んな方に出会いたいな、
色んな世代の方々とやり取りしたいな、
そしてもっと洋服って楽しいんだよ!
難しくなんてないよ、
ジャンルとかどうでもいいんだよ、
ってやってくには、
洋服屋としてどうしたらいいんだろう?
タイミングや運もあったんだろうけど、その答えはLevi’sを並べる、だった。
ずーっと洋服を愛してきた。
ずーっと洋服を売ってきた。
そんな中で、より自分にとって
掛け替えのない
変わりがない
離れることができない
男としての美学
歴史やカルチャーを伴って愛している
付き合った上での愛着度合い
こうして言葉に挙げたら永遠にワードが浮かべられるほど溺愛しているもの、
それがリーバイスでありデニムだ。
リーバイスってきっと
ファッションの範疇を凌駕している稀有な存在だと思う。
好きだから選ぶ
好きでもないけど裸はないのでまあ
そんな実は大きな大きな需要の振れ幅をシンプルに跨いでるんだよ。
僕は洋服好きの洋服屋ではあるけれど、
後者の考えだって楽勝で理解するし尊重する。
生活道具でいいんだよ。
でもやっぱ、折角なら
カッコよくて高品質選んで損ないじゃん?
ケツのアーキュエイトステッチは
皆さん、そして君の日々に
きっと自信と誇り、そして豊かさをもたらしてくれると思うよ。
「ウチのリーバイス見においでよ」
やっと言える日が来た
始まるよ。
RockyRaccoon