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本当に作っちゃう作曲講座note#4【AメロBメロはボケ。サビはツッコミ】

どうも。ジュンペイです。
作曲講座第4回。今日は曲の構成とコード進行についてお話しします。
前回までの記事は下記より参照ください。



1. Aメロ Bメロってなんぞや

曲の構成を考えるにあたって、Aメロ、Bメロ、サビ、、、というブロック分けのことは、皆さん耳にしたことがあると思います。
Aメロは最初の歌があるところ、Bメロはその次、サビは一番聴かせたい耳に残る箇所、というようなイメージですよね。

サビはいいとして、AメロとBメロって何が違うんでしょうか。それがわからないと、曲の展開のさせ方も決まりません。
僕がよく言うのは、曲はトリオ漫才で、AメロとBメロはボケ。サビがツッコミ。というたとえです。東京03のお笑いで言ったら、まず角田さんが大きな声でボケて、すかさず豊本さんが小声でさらに深掘りするようなボケを言って、飯塚さんのツッコミが気持ちよく入るというような、そんなイメージです!
要するにAメロとBメロで綺麗にフッておいた伏線をサビで回収する構図、ということですね!

したがってAメロとBメロのボケの内容は、全く同じって訳にはいきません。Aメロには導入の役割、Bメロにはより具体的かつわかりやすい前フリが求められます。



2. 実際のコード進行

コード進行の展開と同じように、ブロックの展開についてもケーデンスを意識すると取り組みやすくなります(ケーデンスについては、下記第3回の記事を参照)。

どういうことか、具体的に見てみましょう。



今回取り組んでいる曲のコード進行を例にとります。
※コード進行の細かい解説は余談④に譲ります。

【サビ】
Am / C /F /G
Am / C /F /E7
F  /G /Am /Am

このように、サビはkey=Amです。



この曲はサビから始める構成にしているので(第1回の記事参照)、続くAメロでいきなり転調すると世界観がぶっ壊れてしまいます。それは避けたいので、Aメロは下記のようにサビと同じくkey=Amで展開させます。

【Aメロ】
Am /G /F    /E7
Am /C /DonF# /E7(#9)



続くBメロでも同じようにkey=Amを採用すると、展開が生まれません。前回みた、同じコードが続くと曲に変化が生まれず退屈する、という理屈と同じです。Bメロはあくまでも「よりわかりやすく前フリする」役目なので、サビへの推進力が生まれるようにケーデンスを意識します。ここではサブドミナント→ドミナントでの解決を想定し、Ⅳm7→Ⅴ7として展開していきます。

【Bメロ パターン①】
Dm7 /Em7 /CM7 /Am7
Dm7 /E7(#9)




サブドミナントには、Ⅱm7-5、ドミナントにはⅦ7も含まれるので、次のような展開も考えられます。
※マイナーキーのダイアトニックコードについては余談④で詳述します。

【Bメロ パターン②】
Bm7-5 /E7 /Am7 /D7
F  /G7



ここではどちらを使ってもよいのですが、個人的な好みからパターン①を採用します。




3. 伴奏とメロディで曲の骨格を作ろう

上記で見てきたコード進行に基づいて、曲全体を進行させます。

第1話で決定した曲の構成

 /サビ①/間奏/Aメロ/Bメロ/サビ②/Cメロ/サビ③/

に則って録音したデモが下記の音源です。

※Cメロの解説については余談④に譲ります。




ようやく!これにて大まかな曲の構成が出来上がりました。

次回以降、この音源に対してドラムやベースなど他の楽器を入れていきます。これはいわゆる「編曲(アレンジ)」の工程になり厳密な意味での「作曲」とは異なりますが、この骨組みがどういう風にし打て曲に仕上がっていくのか、その様子を観察してもらえたら嬉しいです。もちろん、参考にして頂けるような有意義な情報も出来るだけ載せていきますよ。よろしくお願いしますね!


ジュンペイ




余談④ コード理論その2

ここは、本編では割愛した理論的な説明を補足するパートです。初歩的なものも応用編も関係なく載せていますので、ご興味のある方は覗いていってください。
今日は、コード進行について応用編を紹介します。


①マイナーキーのダイアトニックコード

前回紹介した「ダイアトニックコード」の考え方は、マイナーキーにも当てはめることが出来ます。詳しくは下記リンク内の「余談③」を参照ください。


メジャースケールに含まれる音を一つ飛ばしに重ねて出来るものがメジャーキーのダイアトニックコードでしたので、マイナーキーについては、マイナースケールに含まれる音を一つ飛ばしに重ねて出来るものがマイナーキーのダイアトニックコードと定義することが出来ます。したがってマイナースケールを定義する必要がありますが、マイナースケールは全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音で構成されます。なぜその並びになるのか、については収まりきらないので割愛します。
ラシドレミファソラで構成されるAマイナースケールが分かりやすいので、こちらを例にとってみましょう。

【3和音のダイアトニックコード】
ファソラ→Am
ファソラシ→Bdim 
ファラシド→C
ファシドレ→Dm
ファドレ三→Em
ファレミファ→F
ミファソ→G

【4和音のダイアトニックコード】
ファラ→Am7
ファシ→Bm7-5
ファド→CM7
ファレ→Dm7
ファミ→Em7
ファファ→FM7
ファソ→G7


ただし、Ⅴについてはドミナントとしてのはたらきを考慮してm7ではなく7と解釈します。これは、ダイアトニックの進行よりもトニック・サブドミナント・ドミナントの関係性が優先されるということですね。その辺りのロジックを解説すると専門書みたいになりますが、楽典を書いているつもりはないのですみませんが詳細は割愛します。マイナーキーのダイアトニックコードでもⅤはセブンスを用いる、ということを知っていただけたらそれで充分OKです。


したがってマイナーキーのダイアトニックコードは

Ⅰm7 Ⅱm7-5 ⅢM7 Ⅳm7 Ⅴ7 ⅥM7 Ⅶ7

となります。




②コード進行の解説


今回の曲について、簡単にコードアナライズをしてみましょう。

サビの進行はオーソドックスなAmのダイアトニックコード。
一般系で書き換えると以下のようになります。

Ⅰm / Ⅲ /Ⅵ /Ⅶ
Ⅰm /Ⅲ  /Ⅵ  /Ⅴ7
Ⅵ    /Ⅶ  /Ⅰ  /Ⅰ

大きく展開はせず、トニック→ドミナント→トニックの王道パターンですね。


Aメロは

Am /G /F    /E7
Am /C /DonF# /E7(#9)

上段の4小節はAmのダイアトニックコードですね。
ここで注目したいのは下段3小節目の「DonF#」です。Dメジャーと読み替えて頂いても大丈夫です

Amのダイアトニックコードでは、ⅣはDm7になるのでメジャーコードは本来、入りません。
それにもかかわらずDメジャーが採用されていて違和感がないのは、直前のCからの流れでここの小節のみ、Cメジャーのキーに転調したと解釈するためですが、このような転調を「部分転調」と言います。音源を聴いてもらうとわかると思いますが、前半の4小節とくらべて後半の4小節のほうが明るくなる感じがあり、夕立が止んで陽が射すような雰囲気がありますね。これはマイナーキーの途中でメジャーキーに部分転調したことによる効能です。


Bメロは

パターン①
Dm7 /Em7 /CM7 /Am7
Dm7 /E7(#9))
パターン②
Bm7-5 /E7 /Am7 /D7
F       /G7

パターン1については、Aメロの最後部で部分転調したままCメジャーで展開しています。

一方パターン2は、keyのAmに一度戻って「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」の進行(Bm7-5→E7→Am7)、Am7からD7へはGメジャーに部分転調し同じくⅡ→Ⅴ、後半の2小節はサビのkey=Amへ向かっていくためのマイナーキーにおけるⅥ→Ⅶ→Ⅰの進行となっています。



③Cメロのコード進行

本編では割愛しましたがCメロのコード進行は

D       /DonC     /G         /A
D      /DonC      /G         /A
Bm7 /F#m7      /G         /A
Bm7 /F#m7       /G        /A
F       /F7(#9)

です。

ここは部分転調ではなく、AmからDメジャーへ、ガッツリ転調しています。

前半8小節は真正面からDメジャーのアプロ―チ。
いっぽう後半の8小節は頭をBm7にしてマイナー風のアプローチをしています。

後半については

Key=Dで解釈すると
Ⅵm7 /Ⅲm7 /Ⅳ /Ⅴ

Key=Bmで解釈すると
Ⅰm7 /Ⅴm7 /Ⅵ /Ⅶ

と捉えることも出来ますが、厳密には通常マイナーキーのダイアトニックコードではⅤm7ではなくⅤ7を採用するので、ここではkey=Dの解釈としてあくまでもメジャー調のメロディを考える方向性となります。

DonCとかDonF#などのオンコードについては、のちのベースパートへ解説を譲ります。


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ジユンペイ
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