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イベントレポート|「さらけだせ、愛。」 |SHIRACO WORLD×yosemic @ロバート下北沢

ロバート下北沢でおこなわれたイベント『さらけだせ、愛。』。観客として参加した李が、今回のイベントテーマでもある「愛とか苦悩とか葛藤とか!」をぶちまけながら、文章という表現をもってイベントレポートをおこなっていきます。(フォトグラファーたちによるすばらしい写真表現もあわせてご覧ください。)


11月20日(土)の夜、ロバート下北沢が赤く染まった。

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この日、アーティストのSHIRACO WORLDさんとyosemicの1夜限りのコラボイベント『さらけだせ、愛。』が開催された。


SHIRACOさんは“LOVE yourself”(あなた自身を愛して)を世界中に伝えるべく、街のあらゆる場所に赤いソファを出現させ、人種・性別・年代を超えて街ゆく人々と愛のある瞬間を共にする参加型アートプロジェクトをおこなっている方。(SHIRACO WORLD webより抜粋)

真っ赤に染められた舞台の真ん中に鎮座するのは、そんな赤いソファ。

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赤いソファに座っているのがSHIRACOさん。アーティストたちの中でもひときわオーラを放っていた。登場の瞬間、目が釘付けに。

窓には、今までSHIRACOさんが世界を旅し、赤いソファを通して出会ってきた人たちとの写真が展示されていた。
赤いソファを囲む人たちは、みんなが笑顔だ。

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yosemicは、”表現を通して、自分と他者の存在の価値を認められる世界を” をスローガンに、ニューヨークで結成されたアーティストとクリエーターの集団。2020年からは活動拠点を日本にもひろげ、下北沢を中心に活動をおこなっている。

そんな、表現をもって世界と対峙している両者はニューヨークで出会い、今夜のコラボイベントが実現した。
悲しくも美しいピアノの旋律とともに、表現の幕があがる。


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赤く染まった舞台の上で、それぞれの輝きを放つ表現者たち。

音楽、コント、ダンス、歌。
お互いがオーバーラップして絡み合うパフォーマンスも圧巻だ。

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ひとりひとりの身体から表現という生命力が放出されていく。それが大きなうねりとなり、会場全体がひとつの生き物のように鼓動しはじめる。
赤い空間は、生き物の中をかけめぐる血流。さながら赤いソファは心臓のようだ。

わたしたちは、いま、この瞬間を生きている。

オンラインでも楽しめることは、圧倒的に増えた。人生を軽く費やせる娯楽はそこらじゅうに転がっている。人と関わらずとも、なんとなくは生きていける、けど。
生で人のむきだしの表現を浴び、その時だからこそ溢れ出る命の輝きを目撃するその刹那、自分の中で鈍くなり、鎮まっていた感情が大きく揺さぶられる。
オンラインでも享受できる脳味噌の快楽だけではなく、身体の奥底から湧き上がるような高揚感。自分はいま、リアルを生きていると思い知らされた。

気付いたら、わたしは泣いていた。

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音楽やダンスが展開されるなかでも、異質だったのが即興コント。

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お客さんからその場でお題をもらい、3人がコントを作り上げていく。事前打ち合わせはまったくなし。はじめに口火を切った人の展開に、残りのふたりがどんどんのっかっていく。3秒先はまったく未知の世界。どこまでいくんだろうと、行き先の決まっていないジェットコースターに身を任せるようにコントの世界に引きずり込まれていった。

そしていよいよ、と高まった最高潮のところで、一気にオチがつけられる。

極限まで積み上がったジェンガはふとした拍子に潔く崩れ、その形を再現できることはない。
即興コントには、そんなハラハラと儚さがあった。

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コントテーマは『元カノ』。赤いソファとSHIRACOさんがいたからこそ、生まれたコントになった。大爆笑した。


そして、はじめて生で見た社交ダンス。

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いろんな表現のなかでも、とりわけダンスが好きなわたしは、ひとときも見逃すまいと、食い入るように見つめていた。
お互いの信頼のうえで成り立っている、激しい絡み合い。極限までしなる身体を支える筋肉の美しさ。身体が旋回するたびに放たれるダンスと観客への愛。それを受け止めるだけの愛を、わたしも持っているのか。(突然の自問)

すぐ目の前に、表現者がいる。

観客と舞台に立つ人の間には、大きな隔たりがあると思っていた。
あっちの世界とこっちの世界。表現する人は、何か特別な才能を持っている人という諦めにも似た気持ち。

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でも、この舞台では、自分たちと地続きのところで表現がなされていた。
お行儀よく椅子に座って、舞台上をただ眺めるだけではない、表現の受け取り方。それは、表現者は特別な存在ではなく、わたしたちと同じ地に立っているということを表しているのかもしれない。

そして、どこにいても目に入る赤いソファ。ソファのまわりには自然と人が集まってくる。ひとりだと寛ぎ、ふたりだと会話がはじまり、3人以上になるとパーティーがはじまる。この日は50人以上の方達が集まった。
それはそれは、盛大なパーティーだった。


パフォーマンスをみながら、ふと考えたことがある。
「あなたは表現者ですか?」と、問われた時に、肯定する人はたぶん少ない。それは、何か作品を作っていたり、パフォーマンスをしていないと、名乗ってはいけないものだというハードルの高さが、表現者という言葉にはあるからだ。
でも、この舞台は観客がいなければ成り立たないものだった。表現は、誰かにみてもらってはじめて成り立つ(ものだとわたしは思う)。だって人は、人がいないと表現をしていないはずだから。
だったら、この舞台をみている観客の人たちも、この空間をともに作り出している点では、同じ表現者なのではないか。むきだしの表現だからこそ、こちらもあるがまま受け止めざるを得ない、ある種の心地よさに身を包まれながら、そんなことをぼんやり考えていた。

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最後はハッピーな音楽とともに軽快なダンスが展開された。
表現の渦に巻き込まれるように、観客たちもみんなで踊り出した。

わたしは最初、見ているだけだった。自分から入っていく勇気を持っていなかった。さらけだした瞬間に自分の底を知られるのが怖い、恥を晒したくない、という防衛心は、いつも自分の行動を制限する。
でも、最後に踊っている人に手をとられ、ダンスの輪の中に入り込んでいった。
音楽に合わせてガムシャラに手をふり、足でリズムを刻む。みんな笑顔で、リラックスしたまま踊っていた。
見ているだけでも楽しいと、自分に言い聞かせていたけれど、中に入って踊る方が、100倍楽しかった。

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アーティストたちによるパフォーマンスのあとは、yosemicの醍醐味でもある「オープンマイク」が展開された。オープンマイクとは飛び込みで舞台にあがり、自らのパフォーマンスをおこなうもの。アーティストのパフォーマンスに触発されて発表する人たちもいて、表現の波がどこまでも広がっていくことを予感させた。

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今回のイベントをひとことで言うとですね、
すごい、楽しかった!!!!です!
SHIRACO WORLDさん、yosemicのみなさま、アーティストのみなさま、
そして来場くださったみなさま、
本当にありがとうございました!!!!!!!!!!

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そしてなんと、大阪でも12月18日(土)に同じイベントがあるみたいです。
関西在住の方、ぜひ表現の渦に飛び込んでみてはいかがですか?
大阪出身者から申し上げると、このイベントと大阪、絶対に相性いいです。(大阪もいきて〜〜〜〜〜〜)

●イベント詳細●
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「さらけだせ、愛。大阪編」
"赤いソファ"がニューヨークで出逢った若き表現者たち【yosemic (ヨセマイク)】とのコラボレーションイベントです! 
先日の下北での熱狂を経て、12月はいよいよ大阪で開催!!
アートと音楽とパフォーマンスにまみれる一夜限りの熱い船場の夜❤️‍🔥
さらけだせ、愛。
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◯日時
12月18日(土) 17:00-21:00
◯会場
船場エクセルビル 4F
大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目2−11
◯チケット
¥2,000/1ドリンク込み
学割¥1,500/1ドリンク込み
高校生以下無料*夜間イベントのため保護者同伴
◯予約フォーム 
https://forms.gle/fWPAsUQNYXoP3ymQ7
◯タイムテーブル
17:00 open
18:00-20:00 Peformance
20:00-21:00 Open Mic
21:00 show close

※時間内出入りは自由です。
※コロナ対策のためマスクの着用とアルコール消毒をして入場いただきます。
※ヨセマイクのオープンマイクとは、全ジャンル参加自由のパフォーマンスイベントです。当日、参加希望する方は紙に名前をお書きください!

主催 合同会社yosemic 企画・演出 SHIRACO WORLD

(文/李生美)(写真/yosemic mari, yosemic Mikey, 新野 瑞貴)



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