[反省] 蜘蛛退治
私はパートで働いている。
数日前、職場で、ただ1人の社員の女の子がただならぬ表情で駆け寄ってきた。
「ミルコさん虫大丈夫ですか?」
虫による…。茶色のやつはダメだ。
聞けば彼女の机に蜘蛛が出たという。
「やっつけてもらえませんか。私虫全部ダメなんです😭。まだその辺にいると思います。見つからないともうこの椅子には座れません。」
正確にいえば蜘蛛は虫ではない。しかしそんなことはどうでもいい。
私は蜘蛛ならばティシュ越しで掴める。
私は承知した。
姿を隠した蜘蛛を捜すため、彼女の机の荷物をどんどんどけていく。
「いた!」
絶対に逃さないで!という姫の気迫を背中で感じながら、私は蜘蛛を捕まえるのに成功した。そして蜘蛛はティシュの中でその生命を終えていた。
姫はお礼を言ってたいそう喜んで、私も期待に応えることができて嬉しかったのだが、なんだかやりきれない気持ちが残った。
なんだろう?
別に蜘蛛殺さなくて良かったんじゃないか?
捕まえて外に逃せば良かった。
早く見つけなくてはと焦って、無駄な殺生をしてしまった気がする。
「やっつけて下さい。」という言葉に対して即座に「捕まえて逃すので大丈夫ですか?」と聞けなかった自分に反省した。
蜘蛛よ私はお前に恨みはない。
ただ私は頭の回転が鈍くて
蜘蛛退治を引き受けてしまった。
これからは焦っても、受けて良い依頼か、もっと良い解決策はないか考えるようにする。
許せ。