ザ・優作に浸る~「遊戯」シリーズ
邦画視聴月間最後に鑑賞したのが、松田優作主演の「遊戯」シリーズ。「最も危険な遊戯」「殺人遊戯」「処刑遊戯」。令和には考えられないなんとも硬派でアウトローなタイトル群。
いわゆる今に伝わる松田優作像が詰まった作品ではないだろうか。
表情も乏しくぼそぼそしゃべり、セクシャル&バイオレンス!
決して美男ではないのだが、危ない色気をまとった俳優といえよう。
映画のストーリーは、まあお決まりっちゃあお決まり。でも、そのシンプルさがよい。あとは大野雄二の音楽が素晴らしい。ノスタルジックな感じでもあるがお洒落で、日本を舞台にしているのに非日常的な世界に誘ってくれている。
松田優作は1980年代に入ると、それまでのアクション路線からの脱却を図っていこうとするのだが、結局遺作となった「ブラック・レイン」に至るまで後世に名を残す作品の多くは、やはりザ・優作を彷彿とさせる作品ばかりとなったのは、本人からすればなんとも悔しいことだろう。
この「遊戯」3部作の中では、個人的には最初の「最も危険な遊戯」が好き。最後の「処刑遊戯」を推す声が多いようだが、暗いキャラで暗いストーリーだとなんとも救いがないような気がして、一方「最も~」くらいがバランスがとれてちょうど良く思えるのだ。