これぞ純愛~「図々しい奴」
最近は、瀬川昌治監督の作品を中心に視聴中。
その中で今回はこちら。1964年公開「図々しい奴」
主演は谷啓。当時売れっ子であったクレージーキャッツのメンバー。
クレージーといえば、他にハナ肇、植木等もいるが、事務所は彼らをそれぞれ別の映画会社と契約させたという。今だと映画会社専属契約というのはないのでピンとこないけど、もしかしたらそういうのがあったからこそ谷啓が主演できたのかもしれない。
この「図々しい奴」はもともと週刊誌の連載小説。最初杉浦直樹の主演で映画化、次いでテレビドラマ化された。このテレビドラマがヒットしたようで、再度映画化という運びになったようだ。そのテレビドラマの主題歌を歌っていたのが谷啓で、映画の主演に抜擢ということなのだろう。
内容は、素朴で実直な主人公が彼の恩人やその知人たちに支援を受けながら成功を収めていくもの。とりわけヒロインの佐久間良子が本作に華を添えている。
佐久間は谷の仕事上の主人であり、恩人の想い人なのだけど、次第にお互い惹かれあっていく。それで最後谷の元に召集令状が届き、明日出征というときの場面がぐっとくるのである。
思い合った二人、明日が今生最後になるかもしれないという時に、結ばれるのかと思いきや、それを堪える谷(が演じる主人公)。これこそ純愛である。現代人にわかるかなぁ~。わっかんねぇだろうなぁ~。
物語は出征するところで終わり、第一部完となる。第二部は未視聴。
おひまなら合わせてご覧になるとよろしいかと。