ゲームの方ではない~「スパルタンX」
ジャッキー・チェンといえば、1980年代から日本にはとてもなじみのある香港映画スターであった。
代表作といえば何になるだろう。
私としてはやはりこれを挙げたい。1984年「スパルタンX」である。
とはいえ、スパルタンXを観たのはつい最近。
我々世代にとって「スパルタンX」と言えば、こちらの方だろう。
シンプルながら、ファミコン草創期での名作だと思う。
しかし、残念ながら映画にはこのようなシーンはほとんどない。トーマスとシルビアという名前を使っているくらい。
映画の方は、ジャッキーの持ち味であるコミカルな展開と派手な格闘シーンとが相まって、単調な(?)ゲームよりも数倍も面白い仕上がりになっている。
ジャッキーともう一人の主役であるユン・ピョウとの掛け合いが面白い。なぜかスペインでフードトラックで仕事しているという。
ユンはこの後日本では爆発的な人気を博していくことになるのだが、本作では終始メガネ姿なのが残念。ない方がカッコよく見えると思う。しかしそんな愛くるしいキャラでありながら、格闘シーンではキレのいい足技を繰り出している。
ユンに負けずジャッキーの格闘シーンもすばらしい。当時の香港映画の醍醐味であろう。スタントも使っているだろうとは思うが、それでも大丈夫だったのかと思うようなアクションの連続。まさに命がけである。
でも、なぜか観る側には軽快な印象にしか伝わらず重苦しく感じることなくサクサク見進めていけるのだから不思議だ。
この辺は70年代のブルース・リー路線とは大きく路線を異にしている気がするわけで、それもジャッキーの功績なのだろう。
それにしても全編スペインロケって、どういう経緯なのだろうか。
日本映画がたまーに海外ロケで撮影したりするが、どうにもしっくりこなかったりするのに対して、本作はこんな時代にさほど違和感もなく見られるのだ。ヒロインのローラ・フォルネルもコケティッシュで魅力的だし。
同じアジア圏なのに、恐るべし華僑パワー。