見出し画像

ホテルマンは大変だ~「フォー・ルームス」「底抜けてんやわんや」「THE 有頂天ホテル」「グランド・ホテル」

今回はホテルを題材にした映画をご紹介。
まず1995年公開「フォールームス」
4つの部屋で繰り広げられる物語を4人の監督がそれぞれ作って、持ち寄ったもの。

世間ではどの部屋の話が好きかという話で持ち切りで。
やはり締めを飾るタランティーノの話は、キレがよい。
狂言回し役のティム・ロスのオーバーリアクションも、このホテルではちょうど合っている。

この作品の中でも言及されていて、きっとタランティーノも参考にしたであろう作品が、1960年公開「底抜けてんやわんや」
何という邦題だろう。。

主演はジェリー・ルイス。個人的に日本のお笑いに多大なる影響を与えた人物だと思っている。
この映画は冒頭に説明される通り、通してのストーリーはなく、ばかばかしいコントが連なっていく作り。身体的なコントなので普遍的ではある。
一つ一つはさほど面白くもないけど、これでもかというボケの波状攻撃に、次第に心地よささえ覚えてくるのが不思議。

日本でホテルものと言ってパッと思いついて視聴したのはこちら。
2006年公開「THE 有頂天ホテル」。

欧米のカラッとしたコメディを志向する三谷幸喜の作品。主演はいまやハリウッド俳優の役所広司。
幾筋ものストーリーが絡み合っていく様は確かに面白いのだが、その筋がやや多すぎる感も。それにやっぱりカラッととまではいかず、少々の湿り気も残る。

この「有頂天ホテル」が強く意識したのがこちら。1932年公開「グランド・ホテル」

複数の筋が同時並行で展開して収斂していくという「グランドホテル形式」の元となった作品。
グレタ・ガルボはあまり笑わない女優ということで有名だったらしいが、本作ではなんともチャーミングな笑顔を見せてくれる。往年のスターが皆若い。

ホテルという決まった空間が、作品にとってある種の制約となる点が面白くさせるスパイスになっているのだろう。そもそもが非現実感があるのがホテル。少々おかしなことが起きてもおかしくない、と思わせられるのがリアリティの幅を広げてくれているのかもしれない。

しかし「フォー・ルームス」は非現実を振り切ってはいるけれども。。

いいなと思ったら応援しよう!