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人間という種に対する問いかけ~「まあだだよ」

黒澤明の最後の作品、「まあだだよ」
なんとなくいまいちな評判しか耳にしていなかったのだけど、配信が終わりそうということで今回視聴してみた。

レビュ―のいくつかにあったように、たしかにやや説教臭く感じる点はある。それにこの「先生」と「教え子」という関係も強調しすぎでは、と思わなくもない。
でもどこか懐かしく、羨ましくもある。なぜだろう。

やはり人間って集団じゃないと生きていけない。
ひとりひとりは違うとはいえ、それを互いに認めつつも一つの方向にまとまって進んでいかないと、たちまち荒波に攫われてしまう。一つにまとまるには、進むべき道を教えてくれる「先生」が必要なのだ。

現代はこういった「先生」の存在を否定・超克しようとする時代。それはそれで抗えないのだろうけど、本当に一人ひとりで力強く立ち向かっていく覚悟を、我々は持てているのだろうか。

このかよわき存在である人間。いつまで生きていられるの?
「まあだかい?」
に対して、
「まあだだよ」と言い続けられるか。

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