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ma_033
ストレンジャー/ビリー・ジョエル The Stranger / Billy Joel
中学生のある日、音楽の授業が終わったあと音楽室に残っていた女子のS野さんがピアノを弾いていた。
数人の友達とピアノの話をしているようだ。
そして話をしながらポロンポロンと哀愁を帯びたフレーズを弾き始めた。
むむむ?
どこかで聴いたことあるぞ?
こ、これは?
このイントロは?
ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」じゃないかーっ!
うおおおおおおおおおおおお。
ラジオでいつも聴いていた曲をプロでもないのに演奏できるなんて凄い。
こんなことできるんだ。
近所の女の子が洋楽をピアノで弾けるなんて、ある意味ショックだった。
実際にピアノ演奏の生音を間近で聴いたのはこの時が初めてだったかもしれない。
自分ができる楽器はスぺリオ(リコーダーね)だけで、演奏できる曲はせいぜい「富士山」が関の山だ。
音楽の授業で先生が弾くピアノの伴奏とは全然違う音。
音楽室が一瞬でアメリカになったような気がした。
行ったことないけど。
しばらく動けなくなってそこにただボーっと立っていた。
ピアノの生音が音楽室に優しく心地よく響いた。
当時この曲は大ヒットしていて、CMにも使われていた。
音楽は聴くものだと思っていたが、「自分で奏でることができる」という意識が芽生えたのもこの時があったからだと思う。