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Photo by
ryomiyamoto
追憶/沢田研二 Tsuioku / Kenji Sawada
人生2枚目に買った(もちろん親に買ってもらった)レコードは沢田研二の「追憶」だ。
当時の歌謡曲は洋楽や洋画の名作などのオマージュが多かった。
ところでニーナって誰?
人間の数よりたぬきの数の方が多いS県の片田舎のわが町に沢田研二がやってきた。
町内で買い物スタンプを集めるとチケットと交換できる商工会のシステムだ。実は沢田研二の他にも美空ひばり、森進一、ドリフターズなどそうそうたるメンバーがわが町を訪れていたのだった。
家の稼業は仕出し弁当屋だったので毎日スーパーで何万円もの仕入れをしていてスタンプは簡単に貯まった。チケットも手に入った。
しかし、なぜか学校から沢田研二のコンサートには行ってはいけないというお触れが出た。
そんな音楽を聴いていると不良になるからだろうか。
ナンテイウコトダロウ。昭和の50年代である。
しかし優等生だった私は迷わず従った。
ちなみに姉は観に行った。不良だったから。
体育館のアリーナの半分までステージが迫り出していて、観客があまり入れなくなっていたという噂を聞いた。
田舎町の体育館のステージでは狭くて演奏できないと主催者に文句を言ったとかなんとか。まあ噂話だから。
当時はなんて生意気なんだとか、嫌いになったとか言う大人がいたが、でもそんなの今考えれば当たり前の話だ。
TOKIOなどで大ブレイクする少し前だったが、それにしても観ておけばよかった。