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子どもたちの語彙を増やすことを考えよう

教室の小学生クラスには、1年から6年までの小学生たちがいます。そんな中、いろんな仕掛けを作って子どもたちの強みや弱みを見つけることにしています。

あえて意図的に難解な熟語を使って話すこともその「しかけ」の一つです。


子どもの反応でわかる語彙の数

語彙数の豊富な子は当たり前ですが、難解な熟語も普通に理解します。小さいころからのおうちでの言葉のかけ方がいかに豊富であったかが分かりますし、幼児期のことばの環境が非常に優れていたということがわかります。

また「どういう意味だろう?」と思いながらも、知らないことを知られたくないプライドの高い子は、知っている風に調子を合わせてきます。

一番多いタイプは、「それ何?」と顔に出ていながらも、前後の文脈から理解しようとする子どもです。わかりやすいヒントになる言葉を織り交ぜてあげたり、別の熟語に言い換えてあげると「なるほど!」という表情になるので、「ああ、理解したな」とすぐにわかります。

一番厄介なタイプは、こちらが言葉を発した途端に、「え?何?何?それどういう意味?え、わからん。知らん。ムズイ。」と、話の腰を折ることに何のためらいも感じない子です。小学生になってから、こういうカットインの多い子は非常に困ります。カットインの多い子は伸びません。想像力を使うことが下手だからです。幼児期の「なぜなにどうして?」の時期に大人が十分にお相手をしてこなかったのも要因だろうと思います。また、このタイプの子どもは、獲得語彙数が極端に少ないのが気になります。

語彙の豊富さは、理解力や思考力に直結しています。

親さんたちは、お子さんの語彙の獲得を豊かにしようと意識して小さいうちから環境を整えてほしいと思います。昔は大家族でたくさんの大人がそれぞれに年代に応じた言葉遣いをしていたので自然と入力してこられたのかもしれませんが、今や核家族がデフォルト、さらに「ワンオペ」という言葉が浸透するくらいの「ひとり親子育て」が増えている昨今では、言葉の環境が貧弱極まりないのが実態です。とにかく子どもが耳にする言葉が単一化されているように感じます。

言葉の環境を整えるには

「りんご」「ねこ」などの身近な物の名前は言わずもがなですが、抽象的な言葉や、感情を表す言葉、固有名詞も非常に大事です。比喩表現や擬音語、擬態語もとても大事です。副詞、ことわざ、四字熟語、慣用句など、日常生活の中で入学までに身につけてほしい言葉は山ほどあります。

故七田眞氏は右脳教育を受けた子は通常の4倍の語彙獲得数があるとおっしゃっていましたが、現場の感覚からみても平均してやはり4倍くらいかな、と思います。0歳から言葉のカードを見てきたからというよりは、脳の仕組み自体が変わり、一度聞いたら忘れない、という聴覚記憶が育つからだと思います。

古典の名文や、近代文学の名文、漢詩・漢文、詩、短歌や俳句も読み聞かせてあげましょう。美しい日本語の音韻が感性の奥深くに刻まれていきます。こういったものは、人間性の深みを創造してくれます。

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リタ
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