(読書感想文) 「彼女たちのバックヤード」
森埜 こみち著「彼女たちのバックヤード」読了。
読後感良い爽やかなストーリーだった。娘に読んでもらいたい。
女子 3 人の関係性
序盤、関係がギクシャクするところは読みながら苦しくなった。
私は大人になった今でも「3 人」という関係性が苦手だ。
いや、女子 3 人で現在も飲みに行く関係性はあるけれど、常に双方の顔を見て話題のちょうどいい塩梅を伺っている感があり、疲れる。
せめて偶数だったらいいのにと思う。
きっと私は、3 人で 2:1 になって、自分が 1 の方になるのを恐れているのだ。
本作では、まさにその 3 人の微妙な関係性が描かれる。リアルな関係性。詩織も璃子も千秋も私の中にいる。
あーこういう空気になるよな…こういうこと感じて言っちゃうよな…というのが、自分の心を抉られる感覚と共にビシバシ刺さる。
育児の苦悩と仕事との両立
彼女たちのバックヤード、つまりそれぞれの家庭環境の紹介と共に、親子の関係性や、育児事情なども描かれる。
陽子ちゃんのようになりたい。
一方で、璃子の母親の苦悩も、おそらく一端でしかないのだけど理解できる。
子供の発育に不安が募り、○ヶ月健診で保健師さんに相談するのを心待ちにして、気持ちを吐露したこと。(だいたい「様子見」になるんだけど)
癇癪を起こし、街中で全力で泣く子を前に途方に暮れたこと。
子供の泣き声と夜泣きに睡眠不足と疲れで頭がおかしくなりそうになったこと。
育児と仕事の両立は大変で、しんどいことも多いけれど、仕事があったから育児ができた。
大人と話す時間は貴重だったし、子供相手の難易度の高さを思うと、大人相手のコミュニケーションは出産前より、なんてことないようにも思えた。
タスクに追われ、無駄なことで悩む時間が減った。
だけど、私の脳内の片隅には、常に、保健師さんに発達相談した心細かった自分がいる。
だから、
と言った璃子の父親には、フィクションの物語ながら心底腹が立った。
拗らせているかもしれないが、こういうシチュエーションにならないために、キャリアの継続を模索しているとも言える。
相手を想う言葉
時にぶつかり険悪にもなって自分をさらけ出したからこその絆がある。
ここまでぶつかり合えるのも、青春時代の特権のようにも思えるけれど。
自分の大切な人が辛い時、相手を思い遣る言葉を紡げる人でありたい。
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