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不登校の生活【中編】

中学2年生、
だんだんと不登校であることが
定着してきた頃のおはなし。


衝撃的な父の言葉

世間一般は休日のある朝。

不登校のわたしは
この日もいつもと変わらず
部屋に引きこもり、
布団にくるまっていました。

そこにやってきた父...。

———
「りさ、起きているか?」

………。
何を言われるのか、
内心ドキッとしながらも
だんまりを決め込むわたし。
寝たふりをして
その場をやり過ごそうとします。

お構いなしに近づいてくる父。

(何を言いに来たのだろう...)

放たれる言葉を
ヒヤヒヤしながら待っていると、
思いもよらない言葉が...!

「りさ、無理して学校に行かなくてもいいぞ。」
「お父さん、気付いた。」
「お前は正常で、学校の教育がおかしいんだ!」

………。

混乱する思考

(えっ...?)
もともと何を言われようと
無言を貫くつもりでいたけれど、
あまりにも予期しない言葉に
わたしの思考は完全にフリーズ...。

父はそれだけ言うと
さっさと出て行ってしまいました。

部屋が静まり返るのと反比例するように
せわしなく働き始める思考。

(ん?どういうこと??)
(普通は「頼むから学校に行ってくれ」とか
言うもんじゃないの???)

(不登校が「正常」って言ったよね?)
(本気で言ってるの!?)

(てか、「学校の教育がおかしい」って
どういうこと?)

考えれば考えるほど疑問符は湧いてきます。

直感が教えてくれたこと

しばらくして、ようやく
騒がしかった思考が落ち着いてきました。
頭が落ち着くと、
心からフッとひとつの問いかけが
舞い降りてきます。

"お父さんのあの言葉は、
本心から言ったのだろうか?"

この答えは明白でした。

"お父さんは、本心をわたしに話した。"

"それだけでなく、
お父さんの言っていることは真理であり、
正しい!"
———

…なんてことでしょう!

さっきまで
ああでもない、こうでもないと
グルグルと頭で考えていたことが、
思考が静まった途端に
心ですべて解決されてしまいました。

「どうして学校に行かなくてもいいのか」とか
「教育のどこがおかしいのか」とか...。

そんなことは
どうでもよくなってしまったのです。(笑)

不登校になって踏み出す新たな一歩

この出来事をキッカケに
わたしの生活に小さな変化が生まれました。

それは、
家族の夕食を作るようになったこと。

毎日、仕事帰りの父に電話をかけて
「今日はこれとそれとあれを
買ってきてほしい」と、
リクエストの食材を買ってきてもらうように
なりました。

こうして
買い物袋を受け取ったら、調理開始。

料理本とにらめっこしながら
包丁を握ります。

たまに
「危なっかしいなぁ~」
「手、切るなよ」
「このお浸し、くどい~」
なんて言われるけれど、
なんだかんだ言って
「美味しい」と喜んでくれる
家族の役に立てることが何よりも幸せで。


"不登校も悪くない"と
初めて思えた瞬間でした!

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