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誰にも会わないのにおしゃれをする意味【おしゃ呪解vol.5】

こんにちは。服装心理カウンセラー・スタイリストの久野梨沙です。
あなたに巻き付くファッションへの思い込み・・・「おしゃれの呪い」をばっさばさと解いていくこの企画、略して「おしゃ呪解」。
企画趣旨はこちら

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緊急事態宣言から3週間。それ以前から自粛していてもう1ヶ月まともに人と会っていないという人も多いはず。かくいう私も、2ヶ月ほど前のスタイリストスクールの発表会を最後に、すべての仕事や講義がオンラインへと移行してしまいました。プライベートでもこの3週間は家族以外には会っていません。

そんな中、私はずっとある1つのテーマに沿って、お客様やサロン会員、そして自分自身の心や行動の変化を観察し続けてきました。

人は、誰とも会わないとしても、おしゃれをするのか。

特にここ数年。
ファッションは「機能」に寄りすぎてきたように感じていました。当初は、防寒性や吸水速乾といった着心地における機能性。続いて、「家で洗濯できる」「アイロンいらず」といった取り扱いにおける機能性。そしてここ1年くらいで大きな流れとなっているのが「似合う」という機能性です。ファッション誌が装飾性よりも「似合う」という機能性をベースに服を分類し、着こなしを指南する。そんな時代が来て、メーカーまでもが自分のところの服を似合うタイプ別に分類表示し始めた。

しかし、着心地や取り扱いはともあれ、「似合う」という機能は、人と会わなくなれば8割方の人が不要に感じるようになるはずです。2割程度の人は、自分で自分に満足するために似合う服を着たいと思うでしょう。でも大半の人は、他者からの視点を意識して「似合う」を追求している。となると、似合う=おしゃれだと考えている人は特に、人と会わなくなったらおしゃれをしなくなってしまうのではないか。


観察していたところ、やはり緊急事態宣言発令後1週間程度は、「服なんてどうでもいいや」派が目立ちました。出かけないし。ZOOM会議もほぼ顔しか映らないし。もう服、買わなくていいや。

しかし2週間くらい経って、少し考えが動く人が出始めました。
「ずっと適当な格好していたら、なんだか嫌になってきて用もないのにお出かけ着を着ている」というお客様。「ワンマイルウエア」を検索し出すサロンの会員さん。

そしてまもなく3週間。
あれ? 人と会わないんなら、今こそ好きな服を着るタイミングじゃない?
そんな声がどんどん聞こえるようになってきました。

これは、あくまで私の観測範囲でのお話です。たぶんばりばりアパレル系の人たちはずっと変わらず服を買っているんだろうし、逆に、おしゃれは過去の遺物としてしまった人もいるかもしれない。でも、こうなって初めて、「誰のためでもない自分のためだけのおしゃれ」に目覚めた人も、多い。


しかし、アパレル出身者が全て「生まれながらに自分のためのおしゃれをする人種だ」と思うことなかれ。かつて私も確かに「他人のためにおしゃれをする人」でした。服を買うときはいつもそれを着て会う人の目を意識していた。

それが変わったのは、産後です。今振り返れば結構なレベルの産後鬱になり、それこそ服になんて意識が行かず、1日1日生きるのが必死だった頃。自身の産後1ヶ月健診に行かなくちゃいけなかったんですが、義実家に里帰り(というのか?)していた私が持っていた服がどれも微妙にその時期にしては薄すぎて、さてどうしようか、と。

ふと、そこにあった、子供のおくるみを手に取ったんです。aden+anais(エイデンアンドアネイ)というブランドのおくるみ。それを首に巻いてみました。こう、ストール的に。

これこれ。当時のインスタの投稿。まあファッション的にはどうなんだ?っていう仕上がりですよ。正直。

でも、なんか、こう、ぶわっと。来たんです。来た。
嬉しい。楽しい。自分に何かを巻き付けることが。
色の明るさが文字通り私の見える景色まで鮮やかにしてくれる気がした。

ああ、おしゃれ、楽しいなぁって思いました。
あれは確かに、私が自分のためだけにしたおしゃれでした。


そんな私は、この自粛期間中、家にある「これ私似合わないなーでも好きだなー」って服ばかり着てます。はっきり言って楽しい。

そして、こう思ってます。
ますます、「自分のためにするおしゃれ」の楽しさを、伝えていきたいな、と。
私を産後鬱から救ってくれる程度には、楽しいですよ。おしゃれ。


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久野梨沙|公認心理師・スタイリスト
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