【イタリア発!母ちゃんの日記】この先の未来を共に歩むミッソーニ(MISSONI) のショール
過去、現在、未来の自分への思いを込めてミッソーニ(MISSONI)のショールを手に入れたのは2022年4月15日のこと、今から2週間前です。
普段は「必要だから」とか、「気に入ったから」という視点でファッションアイテムを買いますが、今回は違います。
思いが先行した買い物です。
ここで、ミッソーニ(MISSONI)を簡単にご紹介します。
色の魔術師と称されるミッソーニ(MISSONI)は1953年創業、ミラノ発のファッションの老舗ハイブランドです。独特な色使い、ジグザグ模様、特殊なニットの網目などの特徴は世界のハイブランドの中でも他に類を見ません。
ファッション界では唯一無二の存在。
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過去の話。
イタリアに移住する前、日本で服を作る人をしていた頃、自分で身につけるという意味で世界の名だたるハイブランドには特に興味はありませんでした。
でも、
ファッションデザインを学ぶという意味ではミッソーニを含め、尊敬する好きなデザイナーさんはいたし、ブランドもありました。
例えばデザイナーさんで言うと、プリーツで体を包みこむ斬新なデザインかつ機能性に優れたファッションを提案、世界が認める日本のデザイナー、ISSEI MIYAKE。
ココ・シャネルなき低迷していたシャネルを復活させたドイツ人デザイナー、60年代はクロエでプレタポルテを盛り上げていた、カール・ラガーフェルド。
などなど。
その中でもファッション界では唯一無二の存在、色の魔術師ミッソーニに私は魅せられ続けています。
渋谷で学生生活を送っていた当時、私にとってミッソーニはファッション雑誌の中だけの世界でした。憧れの思いで眺めるだけのどこか現実とはかけ離れたとても遠い存在。
でも今振り返ると、
「いつか身につけるにふさわしい自分になったら、身にまといたい!」
という思いが心の中にあったのは確かです。
こうして色の魔術師が作り出す、着ることのできるアートへの憧れは現在へとつながっていくこととなります。
着ることのできるアート
もうね、この言葉を聞くだけで今も昔と変わらず胸がドキドキします。
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現在の話。
イタリアに移住して驚いたことに、自宅アパートから歩いて10分たらずのファッションストリートにはミッソーニを取り扱うお店がありました。
そして、ショーウィンドウを毎日のようにうっとりと眺めている間に22年の月日が流れます。
世界が変化し続けるのに連鎖して、自分の環境や気持ちは変化するもので、ミッソーニを身にまとうのにふさわしい自分になったかは分からないけれど、今年は買う!という言葉が突然心に浮かんだのだから、買おう!とコトに向かうわけです。
ところがいざ自分が身につけるとなると実は普段着ていくところはないかも?と思い始めます。
でも、憧れのミッソーニ。
絶対に買う!と決めたミッソーニ。
買う?
買わない?
自分に問いかけます。
普段は「必要だから」とか、「気に入ったから」という視点でファッションアイテムを買いますが今回は違うのです。
今、心が動いたからミッソーニのアイテムを買うことに向かっているのです。
こういう買い物は生まれて初めてかもしれません。
洋服、買う?
買わない?
自分に問いかけ続けます。
そうだ!
ショールはどうかな?
首に何かを巻くのは好きだし、カジュアルに普段使いができそう。
いつものモノトーンの服装にカラフルな色使いは合わせやすくて映えそうだし。
自分と向き合って問いかけたことで、心はミッソーニのショールに決まりました。
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私が住む町にはミッソーニを取り扱うお店はありますが、専門店はありません。ここまで気持ちが決まったのだからミッソーニのお店で自分にとって極上のショールを選ぼう。そんな思いから小一時間車を走らせ、別の町に向かいました。
ミッソーニのお店の前に立ち、高揚感を少し感じながら店内に入ります。店員さんにひとこと声をかけてぐるっと一回りしてみました。気になるニットは親指と人差し指でつまんで肌で感触を味わいます。そして高まる気持ちを抑えながら、
「伝統的な色使いのショールがひとつ欲しいのですが」
と、店員さんに話しかけるとシルクのスカーフを含む5種類のショールを奥の棚から出してガラスケースの上に並べてくれました。鏡の前に立ち、一点ずつ丁寧に首に巻いてみます。
「あ、これだ!」
普段なら選ばないタイプだけど、鏡に映る自分の姿を見た瞬間に心が動いた一点がありました。まさに伝統的な色使いのミッソーニらしいショールです。
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この先の未来の話。
こうして私は念願のミッソーニのショールを手に入れます。
春だしね、首回りが華やかになるし、きっとすぐ使うんだろうなと思っていました。
でも、2週間経った今もまだクローゼットの中にしまってあるのです。
時々そっと取り出してはバスルームのドアを閉めて鏡の前に立ち、首に巻いてみる。そして、丁寧にたたんでまたクローゼットに戻す。
家族に見られないように、この動きを何度となく繰り返しています。
鏡に映る自分の姿を見ながら、ミッソーニのショールを持っているということで心が満たされ心地よいなあ、と思うのです。
ショールを巻いて外の世界にデビューする日は、もしかしたら一生来ないかもしれないな、それでもいいんだ。
世界は不確実なことが多いけれど、クローゼットの中に存在しているミッソーニのショールがこの先の未来を共に歩んでくれることは確かだから。
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今日も母ちゃんの日記に最後までお付き合いいただきありがとうございました。