パヒの日曜日
パリは世界中から観光客が集まる誰もが知っているおフランスの首都ですが、フランス人はパリと言われても何を指しているのか分かりません。フランス語でパリはパヒと発音するからです。この稿ではパヒの日曜日の様子を紹介しましょう。
おフランスいえばフランスパンです。朝食はパン、ジャム、カフェオレとかジュースにハムとチーズの切れ端くらいしかありません。
移動はバスかメトロと言われる地下鉄です。
モンマルトルに行ってみましょう。モンマルトルの丘にはサクレクール Basilique du Sacré-Cœurがあります。
サクレクールは40年もかけてつくられた寺院で聖なる心臓という意味なんだそうです。完成が1914年。ふもとからはケーブカーでも登れますが、そんなに高くないので階段で登るひとが大半です。サクレクールは観光スポットですが、ジョギングしている人も多い場所です。
パヒではそこいら中でジョギングしている人たちを見かけました。街は歩行者もいるので走りにくいですが、セーヌ川沿いはむしろ歩いている人よりも走っている人のほうが多いくらいです。筆者も走ってみました。
街にはぎょっとする景色もあります。
ポンピドゥー・センター Centre Pompidou は、ポンピドゥーの時代につくられた文化施設です。工場みたいな外観。
壁いっぱいに書かれた顔がお迎えする通りもあります。
Flea market / marché aux pucesと呼ばれるがらくた市は週末の風物詩です。
こんなの誰が買うんだろうというものが売られていますが、見ていると意外に多くの人が買ってゆきます。ハードオフの屋外バージョンでしょうか。
大通りの代表はシャンゼリゼでしょう。
シャンゼリゼは凱旋門から伸びる大通り。パヒに行ったことがない人でもオー、シャンゼリゼという歌で知られている通りでもあります。高級店もありますが、マックもあります。表参道を広く長くした感じです。
凱旋門は19世紀にナポレオンの時代に建てられたおフランスの象徴のような門です。ナチスはそれを逆手にとってフランスを占領したときにここで軍事パレードを行いました。
ローラースケートの集団もいました。
エッフェル塔の前のシャンプデマルス公園 champ-de-Mars からスタートするようです。この人数でざーっとローラースケートやられたら邪魔じゃないかと思いました。
エッフェル塔は19世紀末の万博のときに建てられました。
景観や入場者数減少などの理由で解体されそうになりましたが、電波塔として使われることで解体を免れ、いまではパヒの象徴です。
一方、公園で寝そべるだらだら系の人たちもいます。
リュクサンブール公園 Jardin du Luxembourg は市民の憩いの場です。角々にカットされた植木の通りには芝生がしかれ、天気のいい午後にはここで昼寝したくなるのでしょう。
公園にはたくさんの人たちが集まっています。
パヒには多くも美術館もエッフェル塔も観光スポットもありますが、そんなに何度も行くわけではないので、それらを除くと公園かカフェくらいしか行くところがないのでしょうね。
午後のカフェでは外でお食事している人も多く見かけます。
彼らは室内よりも外を好みます。日焼けも大気汚染も気にしないのです。サンルイ島 île Saint-Louis にあるこの店は、おそらくは公共のものであろうセーヌにかかる橋の上にまでテーブルを進出させていました。
ヨーロッパでは陽のあたる時間が長い時期は外に出たがる習性があるんだと思います。4月は日の出が7時ごろで日の入りが21時ごろです。朝夕はまだ寒いですが、日中は暖かい。一方、冬は8時ごろでもまだ暗く、夕方は17時ごろにはすでに真っ暗で、しかもかなり寒いので、外にはいられません。
大気汚染は北京なみだそうです。暖炉とディーゼル車が要因。あっち系環境活動家が多いのもそのせいでしょう。ヨーロッパでは、ディーゼルはベンツとフォルクスワーゲンの排ガス規制のごまかしがばれ、EVにふろうとしたら支那車におされそうになって、いまやハイブリッドに戻ろうとしているようです。テレビでもトヨタのハイブリッドのコマーシャルが流れていました。
お夕食は焼き魚がのったいかすみリゾットを食べてみました。薄味ですが、まあまあおいしい。
おフランスは農業国です。素材はたくさんありそうです。フランス料理はポジティブにいえば素材を生かした料理ですが、普通にいえば大して工夫もしてない料理ともいえるでしょう。どれも似たような味で、一日で飽きてしまうようなものでした。ベトナム料理のレストランで食べたフォーのほうがおいしかったなぁ。
(Apr/2024)
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