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赤いてぶくろ|みんはいアドベントカレンダー🎄
自分トフタリッキリデ暮ラスノダ
…
自分ハトッテモ傷ツキヤスイカラ
自分ハ自分ニ優シクスルノダ
自分ノ言ウコトサエキイテイレバ
自分ハ自分ヲ失ウコトハナイ
自分ハ自分ガ好キデ好キデタマラナイ
自分ノタメナラ生命モ惜シクナイ
ソレホド自分ハスバラシイノダ
自分ハ自分ガ好キデ好キデタマラナイ..
私は、私が大嫌いだ。
この場所にいたくなんかない。
私なんてこの世界にはきっといらない。
友達はきっと私じゃなくたっていいし、
彼女はきっと私じゃなくてもよかった。
今日は12月3日。
もうこの部屋に来ることのない彼氏と買ったアドベントカレンダーは、まだ玄関に置きっぱなしだった。どうせお菓子でも入っているのだろう。開けてみると、見覚えのある赤い手ぶくろが入っていた。
とたん視界がぐにゃりと曲がり、酷い眩暈がして立っていられなくなった。しばし座り込んでようやく立てた頃には、視界がずいぶん低いことに違和感を覚える。
姿鏡を見てみると、なんと私は小さな子供になっていた。
「..え?」
「ユキちゃん、いらっしゃい」
リビングから懐かしい声がする。
走っていくと、炬燵には祖母が座っていた。
どうして?
一体どうなってるの?
だって、おばあちゃんはもう…
「ユキちゃん、ばあばのおひざにおいで」
大好きだった祖母の懐かしい笑顔に、私は思わず顔を歪めた。涙が溢れそうなのを我慢してる今の私は、きっととても不細工だ。
「あらぁ、どうしたの?なにか嫌なことがあったん?」
祖母は優しく私を抱っこして膝に座らせた。
この腕も、温もりも、優しい声も、覚えている。
「ユキちゃんの心はユキちゃんのもの。誰にもとられやせんよ。あたしがしっかり守っててあげるからね」
私は、うん、うん、といって声を上げて泣き出した。
「ばあばの作った手ぶくろ、大事に持っててくれてありがとね。ばあばはずっと、ユキちゃんの中にいるよ」
泣き疲れて眠ってしまった私は、起きると元の姿に戻っていた。祖母はもういなかった。祖母は何年も前に亡くなっている。あれは夢だったのか..
炬燵の上には、赤い手ぶくろ。
それは、タンスの奥に仕舞ったまま、
すっかり忘れていたもの。
祖母に触れることはもうできなくとも、あのあったかさはちゃんと今も私の中で一緒に生きているのだ。私は遅い晩ご飯の支度に取りかかるためキッチンへ向かう。
窓の外が妙に明るく感じてカーテンを開けると、うっすら雪が降り積もっている。流れ星がひとつ、空を駆け抜けていった。
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ひとりなど慣れるはずなどないけれど
あなたとの日々 そこにいたから
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