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ショートストーリーまとめ

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私が紡いだ小さなお話たち。
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2023年12月の記事一覧

最後の日【シロクマ文芸部✖️創作タイム】

最後の日【シロクマ文芸部✖️創作タイム】

【創作タイム】の対象作品から、ストーリーが繋がりそうな歌詞を2つ選んで、ぽんのように彼と彼女の目線で繋げています。

さらに、シロクマ文芸部さまのお題『最後の日』ともコラボしました🐻‍❄️

❄️        ❄️        ❄️

Side A《彼目線》

最後の日にしようと思った。

君を待たせるのも、泣かせるのも、今日で最後。

君のサンタになりたかったんだ。

待ち合わせに間に合わ

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君のいた季節【ショートショート】#創作タイム

君のいた季節【ショートショート】#創作タイム

PJさんの【作詞タイム】に寄せられた歌詞から、いろいろな創作を楽しむ企画【創作タイム】。

ここから2つ歌詞を選んで、ぽんのように繋げてストーリーにしてみることにしました。

ではいってみよー( `・∀・´)ノ

Side A

走れ、走れ。

きっと間に合う。
いや、間に合わせてみせる。

白い息が後から付いてくる。風が髪の寝癖を立たせていく。そんなの構わない。何度となく見る時計は、6時50分を

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白骨化スマホ【毎週ショートショートnote】

白骨化スマホ【毎週ショートショートnote】

「あそこに捨てられてるのってスマホだよね?まさか人間じゃないよね」

「当たり前じゃん、人間なわけないだろ」

「だよね。もう精巧過ぎて人だかスマホだかわかんないわ」

「それなー」

 

スマホに人格を持たせるようになり、人類の生活は一変した。より人間に近づかせる技術を追い求め、ついに人型のスマホを作り上げることに成功した。

持ち歩く時にはスマホ型に、必要があれば人型に変形する。人間と同じよ

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シロクマ文芸部✖️作詞タイム『冬の色』

シロクマ文芸部✖️作詞タイム『冬の色』

冬の色は、白群色。

一面の雪って、純白じゃないんだよ。
知ってた?

雪まつりでろうそくを灯すと、ほのかな紫と橙色。雪原の影はほんのり紫色で、それとはまた違う。

薄曇りの日には、雪が陰を帯び微かな水色と緑色と灰色が混ざる。それが、白群色。

どれだけ白く染めても、
真っ白にならないって不思議だね。
まるで私みたい。

真っ白な世界の中で
どれだけ必死に綺麗な白で着飾ろうとしても
真っ白になんか

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サンタなんていないよ。

サンタなんていないよ。

今年のイブは、付き合って1年になる彼と二人で過ごす予定だった。イルミネーションを一緒に見て、オシャレなレストランでディナーを食べて。ベタなクリスマスを一度でいいからしてみたい、ずっとそう夢に見ていた。

なのに。

《ごめん、今日急に残業になっちゃって…この埋め合わせはきっとするから》

イヴの夜、スマホのライトが光っている。

私は彼のLINEを既読スルーした。
これまでも何度かこういうことがあ

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