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"モザイクの向こう側"

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普通の大学生の私が何故AV女優になったのか、AV女優になるまでどのような事をしてきたか、私の生き方の軌跡です。
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#AV

#1 AV女優の事務所に応募してみた

#1 AV女優の事務所に応募してみた

私は都内の大学に通う大学生。
平日は大学に行って、休日は趣味の映画鑑賞や料理をする。
友達はあんまり多くないけれど、家族の仲はとても良い方だと思う。
そんな私は今日、AV女優の事務所に応募のメールを送った。

これはAV女優を目指す私の記録。

まず、AV女優になるにはどうすればいいのか。
色々なデビューの仕方がある中で、私が選んだのは自らAV女優の事務所へ連絡する方法だった。
元々、ナンパであれ

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#2 私は何故AVに出たいのか(1/2)

#2 私は何故AVに出たいのか(1/2)

私がAV女優になりたいと思ったきっかけについて。
前回の日記でほんの少しだけ触れさせて貰ったが、今日の日記では、私は何故AVに出たいのか、そして私という人間についてさらに踏み込んで書いていこうと思う。
(思いの外長くなってしまったので、前編と後編に分けました🙇🏻‍♀️)

私は4人妹弟の長女として、ごく普通の家庭で生まれ育った。
幼い頃は家の中でお絵かきやピアノ(というより小型の電子キーボード

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#3 私は何故AVに出たいのか(2/2)

#3 私は何故AVに出たいのか(2/2)

(↓前編はこちらからどうぞ)

不安と期待が入り交じった心持ちで迎えた大学入学の日。
この頃には、AV女優になりたいと思った事、そしてその事実を消し去った過去すらすっかり忘れていた。
なぜなら私には「大学教授(もしくは研究者)になる」という新たな目標が出来ていたから。
今だからこそ言える事かもしれないが、この目標というのも結局のところ「高い学費を払ってもらい大学に入るのなら、それ相応の目的や志を持

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#4 事務所での面接

#4 事務所での面接

「りほ様にはご来社頂きたく・・・」

事務所の採用担当の方から返事が来たのはすぐだった。
面接可能な日をいくつか提示し、その日が来るまでソワソワしながら待った。
面接までに何か出来ることはないか。
そう思い立ち、今の自分の想いを紙に書き留める事にした。
昔から字を書くという行為が好きだったし、夢中になって書いていると心が整理される感覚があった。
それに、私は肝心な時に大事な事を言えず後悔した事が何

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#5 いざ行かん、メーカー周り!

#5 いざ行かん、メーカー周り!

というわけで、無事AV女優の事務所に所属する事が出来たのだが、所属しただけでAVに出演出来るという訳では無い。
むしろここからが本番である。

私はAV女優になろうと決意したその日から、この業界についてのあれやこれやを自分なりに色々調べてきた。
そうして分かった事は、この世界で長く活躍していく為には努力を怠らないのは勿論、皮肉にも"運"というものが十分に関係しているらしいという事だった。
無論、私

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#6 AVデビューへの切符

#6 AVデビューへの切符

大学の授業が終わり、「今日も誰とも話さなかったな…」なんてぼんやりと思いながら、どこに寄り道するでも無くそそくさと電車に乗り込む。
家に着いて携帯を見ると、一件の不在着信が入っていた。
名前を見るとそれは事務所の社長さんからで、急いでかけ直すと、先日行ったメーカー周りの結果が出たとの事だった。

恐る恐る話を聞くと、私には全部で四つのメーカーさんから専属契約のお声がかかっていたらしい。
ということ

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#7 初めての「カンメン」

#7 初めての「カンメン」

監督面接、略して「カンメン」。
所謂業界用語というもの。
監督面接とは、AV女優さんの人となりを監督やプロデューサーが直接見て、話して、確かめてどんな作品を作るか、その方向性を決めていくための打ち合わせである。
単体女優さんは専属契約を交わしたメーカーさんから月一本のペースで作品を出す為、それに合わせてカンメンも必ず毎月行われる。
先日、某メーカーさんとの契約が決まり、専属女優としてデビューする事

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#8 もう一人の自分

#8 もう一人の自分

カンメン以降、具体的な撮影日も決まり、いよいよ後はその日を待つのみ!!!
…と言いたいところだが、それまでに決めなければいけない重要な事があと一つ残っていた。
それは、AV女優として生きる、もう一人の私の名前だ。

聞くところによると、AV女優さんの名前の決め方は人それぞれらしい。
付けたい名前がある人はそれを採用したり、元々使っている芸名があればそのまま使用する。
大体はその子のイメージに合わせ

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#9 AV撮影前日

#9 AV撮影前日

人生初のAV撮影を明日に控えたこの日。
特にやることもなかったけど、とにかくソワソワして落ち着かなかったから外の空気を吸う為に家の周りを少し散歩した。
早く明日になって欲しい気持ちと、まだ普通の人生に留まっていたい気持ちとの、不思議なせめぎ合いが私の心を惑わせる。

家の周りを三周くらいしたところで景色にも飽き飽きし、特に行く場所も決めずに電車に乗り込んだ。
三つ先の駅で降り、適当に街ブラする。

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#10 AV撮影当日

#10 AV撮影当日

ついにやってきたAV撮影当日。
私のデビュー作は、パッケージの写真撮影なども含め全四日間で行われるとの事だった。
色んな方から「四日撮り珍しいね!凄いね!」などと声をかけられたのだが、何が凄いのかも、そもそも凄いとはどうゆう意味なのかもよく分かっていなかった。

初日は期待と不安に胸が膨らみ夜中は何度か起きてしまったけれど、六時間は睡眠が取れたから上出来かな。
とりあえずお風呂に入り、目を覚ます。

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#11 撮影を終えて

#11 撮影を終えて

人生初のAV撮影を終えた翌日、恋人や友人と賑わう人々で溢れ返る表参道の街中を、私はたった一人で彷徨っていた。

というのも、この日は夕方頃から渋谷に用があり街に出ていた。
用事を済ませ帰ろうかとも思ったけど、何だか今日はまだ家に帰りたくない気分だったから、無事に撮影を終えられたお祝いと自分へのプチご褒美を兼ねて普段行かないようなお店で夜ご飯を食べる事にした。
渋谷だったら沢山お店もあるし、直ぐに入

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