Tiny Dancer
自分の身体が自分のものでは無いような経験をした事がある人は、この世界にどれくらいいるだろうか。
かくいう私もそのうちの一人だ。
私が自身の異変に気付いたのは、小学校高学年くらいの頃。
体が上手く動かなくなる事が頻繁に起こるようになった。
トリガーとなるのは静止している状態から動き出すといった、日常生活におけるちょっとした運動。
短距離走のスタートダッシュ、黒板に解答を書きに席を立つ瞬間。
最悪だったのは、点滅し始めた青信号を渡ろうとした時。
横断歩道の真ん中で身体が硬直した