【リポログ】パリ滞在記 最終日とおまけ🇫🇷
最終日
三回にわたってお送りしてきたリポログパリ滞在編も今回で最後です!
最終日はとっておきの場所に行ってきました𖤐´-
多分知らない人多いと思うのですが、私大の香水好きでして…
今回の旅では香水に一番お金を使いました😂
まあ使ったと言っても、香水(その中でも一番濃度の濃い"parfum"と呼ばれる種類のもの)は嗜好品とみなされていて、一定量超えると関税がかかってしまうので免税範囲内に抑えました😂
フランスと言えば香水大国!
メイクはしないけど香水だけは欠かさず付けるという人も多く、街を歩いていても色んな香りが漂ってきます𓂃𓂂
色々な香水店を巡って思い出の香りを見つけられて大満足です😊
この日は午前中から12区にあるベルシーというエリアに行きました❣️
ここでちょっとフランスの喫煙事情についてお話しますね🚬
フランスは香水と並び喫煙大国でもあります。
フランスの映画なんか見ても皆煙草ばっかり吸ってますよね。
今現在は、屋内では完全禁煙なのですが、屋外ではどこでも自由に吸っていい事になっています!
街に置かれているゴミ箱には、縁にタバコの火消し用のプレートが付いている程です🗑
基本的にフランスでは18歳未満はタバコを買えません。
18歳未満の学校内での喫煙も禁じられていて、16歳未満を受け入れる学校での喫煙も禁止されています。
逆に言えば禁止されてるのはこれくらいで、煙草を吸える年齢には制限が無いんです!!
なのでリセ(高校)の学生も堂々と校門脇で煙草を吸ってたりします。
老若男女喫煙ライフを楽しんでいて、電子水煙草のようなものも吸ってる人をよく見ました😶🌫️
そんな喫煙大国フランスですが、もちろん規制の動きもあるみたいで、煙草1箱自体の値段は日本に比べて高く1300円くらいします😮
一番の特徴はやっぱりこのパッケージですよね。
調べたところこれは「中立タバコパッケージ」と言い、2017年から義務化されたようです。
狙いとしては、いわゆる「ジャケ買い」を予防し、新たに喫煙を始める人を減らそうというものらしいです。「喫煙は人を殺す(Fumer tue)」というような過激な文句とグロテスクな画像で注意喚起しているようなのですが、現状のフランスを見るとその効果の程は分かりません😂
話を戻して、、
ベルシーの駅周辺の街並みはコンクリのビルなどが多く、パリの中心部とはだいぶ雰囲気が変わります!
そして目的の場所に到着しました!!
ここは映画遺産等の保存を目的とした私立の文化施設で、映画資料館といった感じの場所です!
フランスでは戦前から「シネクラブ(ciné-club)」という自主機関が活発に映画的活動をしており、1935年にアンリ・ラングロワとジョルジュ・フランジュという人物が中心となって作った「セルクル・デュ・シネマ(Cercle du cinema)」というシネクラブが今のシネマテーク・フランセーズの前身となりました。
常設の映画の歴史を辿る展示とは別に、時期に応じて特別展を開いており、私達が行った時はジョルジュ・メリエス展が開催されていました🌝
ジョルジュ・メリエスとは、映画の誕生とほぼ同時期に活躍した人物で、世界初の職業映画監督なんて言われ方もされたりします。
彼がまだ黎明期の映画(それは単にそこで起こる出来事を写し取るだけというようなドキュメンタリー要素の強かったもの)に持ち込んだのは、ストーリー性、作為性、演劇性、スペクタクル性、幻想性、創造性、エンターテインメント性、そして"魔法のような"視覚効果(いわゆる特殊効果)の数々です🪄︎︎
元々手品師だったメリエスは、リュミエールの撮った世界初の映画の持つ"魔力"に魅せられた事で映画制作を始めます。
そして自身がマジシャンとして培ってきた"トリック"を技法として作品の中に落とし込め、今でこそ映画制作において当たり前となった「特殊効果」というものを発明し、映画の技術革新に多大な影響を及ぼしました。
彼についてより詳しく知りたい人は、まずマーティン・スコセッシの『ヒューゴの不思議な発明』(2011)を見てみるのがオススメです🙌🏻
(実はこれメリエスについての映画なんです!)
そしてここからは映画史を巡る常設展へ🎬
私は今回のリポログで、あえて何度も映画はリュミエール兄弟による世界初の興行上映から始まったと話してきました。(そこにこだわる理由は長くなるのでまた別の機会に…)
しかし厳密には映画の歴史はそれ以前から始まっていて、映画を光と影の織り成す芸術という側面で見るのなら、ダ・ヴィンチやカラヴァッジョ等の画家もその効果を利用してきたとされているし、表象文化・視覚芸術としての元を辿ればラスコー洞窟の壁画なんかと結び付ける事も不可能ではありません。
まあそこまで来ると美術史との兼ね合いがある為議論の余地は必要ですが、とにかく、どこからを映画の始まりと定義するのかは非常に曖昧で難しいんです。
当たり前ですが、映画を上映する為には物事を記録する為の撮影という技術、映写する為の幻燈という技術が最低限必要であって、特殊効果やら音声やらがそれ以降に加わってくるという訳です。
そうなると、映画の歴史とは技術の歴史と言う事も出来ます。
もっと言えば、1秒間の映像の中には24コマのイメージの連続がある(我々にとって最も馴染み深いコマ数)というミクロ視点の世界があるように、映像に先立って写真(静止画)というものが存在しています。
映像(後に映画になるもの)というものが登場した時代、当時の知識人がそれらをまず静止画の連なりとして捉えたのは自然な流れなのであり、だからこそ、そこに運動の本質(持続性等)を見い出せるのか等の批判もありました。(ここら辺も話すと専門的になるので割愛)
とにかく、この常設展を通じて考えられる事は、映画の歴史は技術や産業、ひいては文明社会の発展の歴史と深く結び付いているという事です💡
リュミエール兄弟のこの上映会には他にも様々なエピソードがあり、最も有名なのは『ラ・シオタ駅への列車の到着』という映画を見た観客が、画面の奥から手前へと迫り来る列車に驚いてその場から逃げ出したというものです。
ただ、このエピソードは歴史的事実では無く、あくまでも現代の人々が初めて映画というものに触れた人々の驚きを端的に表現する為の格好の材料として取り上げる、ある種の神話として認識されています。
(ただ、それとはまた別の次元で『列車の到着』神話は当時から繰り返し語り継がれてきたという側面もあります)
リュミエール兄弟が撮ったこれらの映画は、例えば『工場の出口』であれば、人々が工場から出てくる様子を捉えただけの映像と言う事も可能ですが、よく観るとそこには既に"演出"というものの存在を確認する事ができ、それこそが「映画とは何か」を紐解く為の重要な鍵の一つであると私は思います。
また、改めてエジソンのキネトスコープとリュミエール兄弟のシネマトグラフの違いを比較してみる事でも、映画の本質とは何なのかに迫るヒントが得られます。
二つ鑑賞方法の決定的な違いとしては、キネトスコープは一人ずつしか映像を見られないのに対し、シネマトグラフでは巨大スクリーンに映像を投影し、多くの人が同時に映画を鑑賞出来るようにしてそれらを克服した点です。
今はスマホで誰でも何処でも映画を見られる時代になりました。
部屋でたった一人、スマホの小さな画面を覗き込み映画を見る私たちの姿は、エジソンのキネトスコープの時代へと逆戻りしていくようです。
ただ、エジソンとリュミエール兄弟、映画に未来を見出していたのはどちらかと言われたら、これまた色々な考え方が出来ます。
もしくは、映画の未来と可能性を純粋に信じていたのはメリエスだったのかもしれません。
私は映画史の中でも、今回話したような映画の誕生にまつわる歴史がとても好きです。
他にもまだまだ話したい事は沢山あるのですが、最後に一つ、私のとても好きなお話をすると、リュミエール兄弟の "lumière" とはフランス語で「光」を意味する言葉であり、「光」こそが「影」を生み、その「光と影」によって「映画」が創り出されます。
こじつけと言われてしまえばそれで終わりなのですが、なんだか不思議な巡り合わせを感じてしまいます。
リュミエール兄弟が映画を発明するのは必然だったのかもしれません。
色々と脱線しましたが常設展へと戻ります!
そんなこんなで最終日はシネマテークを存分に楽しみました🎞
今回の旅行で映画にまつわる様々な場所を訪れ感じた事としては、フランスは自国の文化を非常に大切にする国であるという事です。
国が積極的に文化の保存や若者の教育、情報の公開をしていて、文化を守る為には予算や労力を惜しまないという姿勢が見て取れます。
ポンピドゥー・センターやシネマテーク・フランセーズなんかはその象徴のような施設で、芸術等の弱い立場にある文化を守る取り組みが日本でももっと活発に行われれば良いなと思いました。
ベルシーに別れを告げ、ホテルの近くに戻ってご飯を食べました!
そしてこの日ようやく本場の「ビズ」を目にすることが出来ました👀
「ビズ」とは、頬にキスをする挨拶の事です💋
コロナの影響もあってビズの文化は衰退してしていました。
それに今の時代もう若い人はあまりビズをしないようになっているのかもしれません。
また、パリやフランスというとファッションの国というイメージがある方も多いと思いますが、パリコレやバカンス等の特別な時期を除いて、特に今のような肌寒い時期は皆機能性重視で意外にも地味な服装をしています。
私はせっかくの海外旅行だったので、浮くのは承知で比較的派手めな洋服(いわゆる観光客的なファッション)を持っていきました👗
まあ世界中どこにいても自分が着たいもの着ればいいと思うし、自分の中のトキメキこそ正義ですね✨
また、仕事場でもノーメイク、ノーヘアセットという女性を多く見かけました。
「ナチュラルこそが美」というような価値観がある為、ファッションやメイクなどは引き算で楽しんでいるイメージです。
なのでノーブラも、ムダ毛を処理しないのも、決して珍しい事ではありません。
日本のような日頃からしっかりとおめかしする習慣も勿論素敵ですが、それに少し疲れてしまった時、フランス人の自然体を愛する姿には自信を貰えます🌼
ありのままのあなたが一番美しい。
フランスは、誰にでもそんな言葉をかけてくれるような国でした。
私は次の日の朝に出発だったので、この日は早めに帰って帰り支度をしました。
この五日間、本当にあっという間で忘れられない経験を沢山しました✨
今回フランス行きのきっかけを作ってくれた友達にも感謝です(* .ˬ.)"
世界はまだまだ知らないことで溢れてるな〜と思いました!🌏
おまけ
最後にフランスで買ったものの中から特に紹介したいものを少し🎁
まず、これはマーティン・パーというドキュメンタリー写真家の『Real Food』という写真集です。
フランスでは『Des Goûts』という名前で発売されています。
それまでマーティン・パーという人物について何も知らなかったのですが、調べたところマグナム・フォトのメンバーでもある凄い人でした!
ポンピドゥー・センターで偶然この写真集を見つけ、中を見た瞬間運命を感じ即買いしました。
簡単に言うと、これは食べ物の写真集なのですが、その食べ物というのが、とにかく吐き気を催す気持ち悪さに溢れているんです。
ブリア=サヴァランなんかがこれを見たら何を言うのか気になりますが、嫌悪感を煽る食べ物のグロテスクな接写は、否応なしに五感を刺激してきます。
気持ち悪いけど見ずにはいられない、見たくないのにどうしようもなくその嫌悪感を求め、そこに快感を見出してしまっている自分がいるんです。
まさに私がずっと昔から求めていた"何か"が具現化したのが、この写真集でした。
上手く言葉に出来ないんですが、多分この感情はフェチズムの一種のような気がしています。
私がこの"癖"に気付くきっかけとなったヤン・シュヴァンクマイエルという芸術家がいるのですが、マーティン・パーの作品も彼の作品とめちゃくちゃ張り合ってます🔥
(もしかしたら僅差でマーティン・パーの方が好きかもしれない…)
少しだけお見せしますね🤫
食べ物って全て自然のものなのに人工的な異臭が漂ってくるこの気持ち悪さにゾワゾワが止まらないです。
私は美味しいものを食べるのが大好きだし、この写真集の食べ物たちを見て「美味しそう…」とはお世辞でも思えません😂(それはきっとマーティン・パーによって、"そう思えないように"撮ってあるから)
でも世の中の食べ物が全部広告のような「シズル感」に溢れている訳では無いし、どちらかと言えばこの写真が写し取った食べ物こそが私達が日頃から口にしている"本来の食べ物"(="Real Food")の姿なのかもしれないとさえ思えます。
ついつい熱く語ってしまいましたが、シネマテークで買ったものを紹介します!
街の本屋さんで買ったこの二冊は特に思い入れのある本なので、原文を読む事が出来て感動です( i꒳i )
他にも色々購入しましたがここら辺で👏🏻
本は冊数増えると地味に重いので、帰る時は手持ちの荷物に入れて飛行機の中で読んだりしてました📖
あとこの旅行で唯一めちゃくちゃ凹んだのが、お土産に買ったワインが割れてしまっていたことです( i꒳i )
包装があまく日本に着くまでにヒビが入ってしまったようで、、、
悲しみにくれる私をボルドー産の葡萄の芳醇な香りが包み込みました。
ただ、密閉して袋に入れてたので他の荷物に被害がなかったのが本当に不幸中の幸いです🥲
もし袋に入れてなかったら…と考えるだけで寒気がします😇
三回にわたるパリ滞在記、最後までお付き合いいただきありがとうございました🙇🏻♀️
色んな事を感じ、考えた五日間でした💭
そして、海外旅行をする時は日本と比較して良いとか悪いとかじゃなく、自国との違いを受け入れる事が大切だと思いました︎︎☺︎
また何処かに旅行した時はこうやって皆さんと思い出を共有したいなと思うので、いつになるかは分かりませんが楽しみにしていてください🙌🏻
次回のリポログ(これはちゃんと日本編😂)で会いましょう!👋🏻
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