縁切り寺で悪縁を忘れる
私の年末年始は散々なものだった。
仕事が11月くらいからどんどん増えはじめて
目が回る忙しさだったが、私には12月31日、及川光博さんの年末ライブの予定があった。
ポンポンを振りながらミッチーと「死んでもいい」を踊ればすべての苦労は報われ、光り輝く2023年がスタートするはずだった。
しかし人生はそううまくいかない……!
まず職場の階段から転げ落ち捻挫した。
足が腫れあがったが、それでもミッチーに会いに行く気は満々だった。
それに加えて、ひどい風邪をひいた。
咳は出たが発熱はないし、コロナの検査は何度やっても陰性だったので、このままいけばミッチーのライブにはいけるはずだった。
が、ライブ当日。
念のためにと抗原検査してみたら
なんとコロナ陽性が発覚……!
自宅療養期間と年末年始休暇が重なり、
全く休んだ気がしないまま仕事が始まった。
休み明けだとかはお構いなく「急ぎの仕事」は降ってくる。
でも今日だけは仕事を定時で切りあげて、豊川稲荷東京別院に行ってきた。
初めて行ったのは2021年末。
豊川稲荷東京別院は縁切りで有名と聞いたからだ。前職を年末で退職するにあたり、大嫌いな会社や上司と一刻も早く縁を切りたかった。
この時縁切りのついでにもらってきたのが「融通銭」という金運アップのお守りだ。
10円玉が入った黄色い袋で、これを1年後、もしくは自分の願い事がかなった時に、お礼としての利子をつけて奉納する。
前職は辞めるまでは不満も沢山あったけれど結局は円満退社させてもらったし、転職していい職場や同僚との縁がありお給料もあがった。
お礼参りも兼ねて、散々な始まり方をした2023年の幸せを願いにいきたかったのだ。
帰り道、沢山の縁に恵まれるようにとは祈ったが、今年は縁切りの願掛けはしなかったことに気づいた。
心の底から縁を切りたいものがなくなった、という幸せを噛みしめた。