加配保育士の一日
今回は、加配保育士としての私の一日を書いていきたいと思います。
現在は主に3歳児クラスを担当しています。
特にASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)の傾向があると診断された子が多く、外国籍で日本語のコミュニケーションが難しい子、身体にハンデを持った子を担当することもあります。
担当の子どもへの関わり方の方針については、保護者、担任、他の加配保育士、公認心理士などと連携して話し合いながら日々の保育の中で様子を見ながら調整したりしながら進めていきます。
一日のはじまり
私の出勤は8時半です。
自分の子どもを見送ってから、職場に向かいます。
8時にはすでに登園している子どもがいるので、早番の先生と入れ替わります。
8:00 子どもたちの受け入れ
園児は登園してお部屋に入ると、各自朝のお支度をします。
衝動性が強かったり、切り替えが苦手だったり、マイペースで集団活動が難しい子もいます。
園の門をくぐるまで、園舎に入るまで、お部屋に入るまでに時間がかかる子、登園しぶりをして家から出るまでに時間がかかる子もいます。
ぐずりながら登園した子は、個々に合わせて抱っこをしたり、距離をとって見守ったりして、気持ちが落ち着くのを待ちます。
9:00 自由あそび
登園後、お支度が終わった子は各自自由遊びをします。
一緒に遊んだり、子ども同士のやりとりを見ながら、コミュニケーションのサポートをします。
おもちゃの取り合いや貸し借りでの衝突、一緒に遊んでいる時の遊び方、やり方での衝突、思い通りにならずに癇癪を起こすなど、子どもたちが自由に動ける分、衝突が起きる場面も増える時間です。
3歳児クラスでは保育者が間に入ることが多く、子どもの気持ちや欲求を言語化したり、共感しながら代弁したりします。
付きっきりで一緒にいると、他のお友達との交流を阻んだり、環境から得る機会を取り上げかねないので、あえて離れて見守ることもあります。
10:00 主活動
午前中は活動の時間です。
朝の会を終えた後、曜日ごとに英語や体操、製作など様々な活動が行われます。
園庭でのダンスや運動、知育教材を使った作業など、子どもたちが集中する場面も多く、その時々で個別にサポートに入ります。
特に忙しいのはこの活動の時間で、こだわりが強く切り替えが苦手な子がスムーズに参加できるように声をかけたり、時には一緒にやり方を示して見せたりします。
子どもたち一人ひとりの様子を観察し、サポートに入るタイミングを見極めます。
12:00 給食
担当する子どもと同じテーブルで食べます。
食べる量が少なく早く食べ終わって立ち歩こうとしたり、こぼさずに食べるのが難しかったり、食べることに集中できない子の支援をします。
園児より早く食べ終わる必要があるため、昼食はいつもかき込んで食べます。
13:00 自由あそび
お昼を過ぎて午後は自由遊びの時間です。
室内だったり外遊びだったりと、その日の天候や子どもたちのコンディションに合わせて行います。
この時間も忙しさは続きます。他の園児とコミュニケーションを取る中で、衝突が起こったり、何かにこだわりすぎてしまったりすることも。
そんなときは間に入って、適切な言葉かけを心がけます。
時にはただ見守ることも必要で、いつどんなサポートをするのがベストか、その判断は日々の経験から学んでいます。
1日の終わりに
仕事を終える前に、保育日誌を書きます。
保育日誌は私の大切なツールで、どうしたら良かったのか、他に何ができたのか、事前に何をしていれば回避できたのか…反省と振り返りの連続です。
次の日から試してみて、うまくいけばそれを続けていく。
しかし、昨日の正解が今日の不正解になることもあり、子どもたちのコンディションや天候に左右されることもあり、一つの正解に固執しないようにしています。
いろんな答えや選択肢を持てるように、柔軟性を大切にしています。
忙しかった一日を振り返り、明日への準備をしながら、自分も少しずつ成長していけたらと思う日々です。
明日に向けて
担当する子どもたちが楽しそうに笑ったり、他の園児と仲良く関われたり、できなかったことに少しずつ慣れていく様子は喜びであり、やりがいを感じる瞬間です。
とはいえ、毎日が順調なわけではありません。
何を言っても通じない「全てが嫌!」という状態に陥った時は、どんな言葉をかけても響きません。
そうならないように事前準備をするのが鉄則ですが、集団行動においてはうまくいかない時もあります。
昨日うまくいった対応が、今日は逆効果になることも多々あり…答えは一つではなく、正解はありません。
他の先生ならうまくいく場面で自分が対応できないと、力不足を痛感することもあります。
反省や不甲斐なさをバネに、できることといえば学ぶこと。
保育者の捉え方、言葉のかけ方、行動や態度一つで、子どもの反応は変わります。
諦めずに引き出しを増やし、様々な方法を試していくことで、子どもに寄り添い理解できる瞬間があるはず。
そう信じて、他の先生にも相談したり、専門書を読んだり、講座を受けたりと、前向きに取り組んでいます。
さいごに
加配保育士として、子どもたち一人ひとりに向き合う中で、私自身も日々学び、成長させてもらっています。
子どもたちが自分らしく過ごし、生き抜く力を育めるように、保護者の方や周囲の先生方とともに試行錯誤しています。
これからも、子どもたちに寄り添い、笑顔のある日々を一緒に積み重ねていせたらいいなと思っています。