成功本よりも失敗本!
最近、書店をぶらっと眺めていると、『失敗もの』と呼ばれるジャンルがあるなと気づきました。
倒産した企業や売れなかった製品などの例をあげて、「なぜ失敗したか」を分析するという類いのものです。
『失敗の本質』という日本軍がなぜ敗戦したかを分析した本が話題になったこともあるんですが、これも失敗ものですよね。
かなり前に『社長失格』という本があって、それも非常に面白かったです。
1997年に倒産したハイパーネットというIT会社の社長・板倉雄一郎さんが、いかにして自分が会社を倒産させ、37億円の債務を負って自己破産したかを赤裸々に記した本です。
成功ってやっぱり運の要素がかなり大きいです。同じ実力があっても運のあるなしで結果に雲泥の差が生まれます。
だから成功した人の共通要素を抜き出し、それを実践しても成功するかどうかはわからない。そう主張する人も多いですよね。
そのカウンターとしての需要を補うために、「失敗もの」というジャンルがあるんじゃないでしょうか。
失敗した人から失敗要素を学び、それを極力避ける。そうすれば成功の確率が上昇するという理屈です。
お金の格言で「金持ちになっても幸福になれるかどうかはわからないが、多くの不幸は防げる」っていうのがあります。
不幸をたくさん避けられれば、幸せになる確率は高くなりますよね。その考え方と似ています。
最近はまっているYouTubeチャンネルがあります。
それはお笑いコンビ・飛石連休『藤井ペイジ』さんの『辞めた芸人に話を聴こう』という企画です。
これは藤井さんが、すでに芸人を辞めてしまった元芸人の方々にいろいろ話を聴くというものです。
これがとても興味深くて面白いんですよね。
そこで二つ共通項があるのに気づきました。
一つは自分を信じきれなかったこと。他の芸人さんと比較してどんどん自信がなくなり、結果辞めてしまうという感じですね。
よく言われることですが、「あきらめない」「自分を信じる」というのは成功には必要不可欠ですね。
ただこれはこれは他のジャンルでもあてはまります。
お笑い芸人ならではというと、辞めた芸人さんはことごとくコンビ仲が悪いんですよね。
「相方が厳しすぎる」というのが芸人を辞めた理由だった人が多かったです。相方の顔を見ると吐き気がするという方もおられました。
芸人として売れるにはコンビを組むのが一番です。いきなりピン芸人というのは少数派でしょう。
だからだいたいみなさんコンビを組むんですが、コンビ仲が悪いとコンビを解散するはめになります。
コンビ解散って、それまで積み上げたものが一回ゼロになるんですよね。それってどう考えても損なんです。
もちろんあきらかに相性が悪い場合はしかたありませんが、できるならばコンビ解散は避けた方がいいです。
そのためにはコンビ仲をよくするための工夫が必要になるんでしょうね。
そういえばブラックマヨネーズの吉田さんが、相方の小杉さんとコンビを組み立ての頃、同じマンションに住んでいた話されていました。
売れていないくせにネタ合わせをするのが面倒になる距離に住むのはやめよう。それが吉田さんの意図だったんですが、コンビ仲を良好にするためという意図もあったんじゃないでしょうか。
芸人として成功する努力としてはネタ作りを頑張るとかあると思うんですが、芸人としての失敗を避けるには、「コンビ仲を良くする」ことに力を注ぐことが大事なんでしょうね。
これが芸人さんにおける『失敗要素を減らして成功確率を上げる』になるんじゃないでしょうか。
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